タマネギの直播栽培で作業機開発-農研機構・JA全農・クボタ2021年7月21日
農研機構はタマネギの直播栽培の作業機を開発しJA全農と共同研究の結果、一般的な移植栽培と同等以上の収量を得ることができたと7月20日に発表した。作業機は(株)クボタが7月から販売を開始した。
開発した作業機
農研機構が開発した作業機は、畑を耕運して畝を立て、その畝の上に小さな溝を4本作り、溝の底に施肥と播種、さらに農薬(粒状)散布が同時にできる。同時に処理することで効率化を図るのが狙い。同機には、生育を促進するため種子の直下にリン酸を施肥するリン酸直下施肥技術、出芽を良くする溝の底に播種する溝底播種技術が使われている。
この作業機を使って直播タマネギの秋まき作型でJA全農西日本営農技術センター(広島県東広島市)と農研機構九州沖縄農業研究センター都城拠点(宮崎県都城市)の各試験ほ場で試験を行った。その結果、3年間の播種後11日目の平均出芽率は10%向上。初期生育も良く3年間の換算収量は10a当たり平均6t以上だった。
歩行型全自動移植機を導入した移植体系とくらべて育苗作業がなくなることから労働時間は24%削減できると試算されている。
この共同研究をもとに農研機構は作業機の改良を進め、農薬散布部はオプションとして7月に発売を開始した。メーカー希望小売価格は税込158万円~179万円。
農研機構はこの作業機を導入することでタマネギ直播栽培を安定させ、規模拡大によって低コスト化を進めることができるとしている。国産タマネギの単価は82円/kgで輸入は47.6円/kg。低コスト化で業務加工用でも国産タマネギのシェアを奪うことが期待される。
導入が期待できる地域は今までタマネギを栽培していなかった地域。ほ場でリン酸が少なくても直下施肥で補うことができるため、とくに水田での転換作物として期待できるという。農研機構はタマネギ以外のキャベツなど露地野菜でもこの作業機での栽培を検討する方針だ。
溝畝播種の初期生育の促進例
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