農業者所得の向上めざし事例を共有 担い手コンサルティング全国説明会 農林中金2022年11月18日
農林中央金庫は11月16日、担い手コンサルティング全国説明会をオンラインで開いた。農業者の所得向上を目的とする担い手コンサルティングを広めるため県域から優良事例を発表、JAグループ一体となってさらに取り組みを進めることを確認した。
担い手が抱える課題に向き合い、JAグループとして解決策を提案、農業者の所得向上に結びつける担い手コンサルティングは地域農業を持続可能にするためにも求められている。説明会で川田淳次常務執行役員は「JAバンクとして広義の金融仲介機能をどう発揮するかが課題。担い手コンサルを通じたJAバンクらしい機能はその中核であり、今こそJAの総合事業の強みを発揮すべき」とあいさつした。
川田淳次常務執行役員
担い手と対話が重要
事例報告で大分県は大型法人への支援策について紹介した。
地域で耕作放棄が広がないよう農地を引き受け、100haを超える規模で米・麦・大豆を栽培する法人と面談を重ね、品目別の収支分析を示し、単収向上や効率的な出荷体制、規模拡大にともなう設備投資など課題を明らかにした。
それらの課題に対して具体策を提案、たとえば、単収向上に向けて全農県本部による土壌診断とその結果に基づく系統肥料の提案を実施した。また、効率的な出荷のためにJAを通じたフレコン出荷を提案した。こうした提案によってJA利用が増えるという実績にもつながった。ライスセンターを新設したいという経営目標に対しては、事業見通し試算を示すとともに、信連とJAで資金対応をした。経営者からはデータを示すコンサルティングに「経営のバックボーンになった」との評価を得たという。
熊本県からは、レンコンを生産している農業法人へのコンサル事例が報告された。収益拡大に向けてほ場候補地を紹介するなどほか、面談で経営者は海外展開の意向を持っていることが明らかになった。そこで農林中金から輸出業者を紹介し、今年8月から月に2tほどを香港店舗向けに輸出、さらに米国にも試験輸出を実施している。担当者は「経営者の思いを明確にし一緒にビジョンをつくっていった」と話し、ほ場の拡大には地域との連携が必要になることからJAとの交流が検討されている。
行政との連携も
石川県からはJAバンク石川の行政との連携が報告された。県行政には経営相談や専門家を派遣する事業があり、それを担い手コンサルの枠組みに入れることで、コンサルの質の向上につなげようという試みだ。
また、農業所得の向上にとどまらず、担い手との対話を通じた関係深化や、JA職員のスキルアップや事業間連携の確立もめざしている。担い手コンサルは2024年までの3年間でJAが18、信連が6の計24実施することを目標としている。取り組みを進めるには、全農と中央会など関係機関との連携が必要だと強調した。
広島県からは担い手コンサルを進めるうえで課題となった点や工夫した点が報告された。
通常業務があるなかでJAの信用部門と営農部門の連携が取りにくいという課題に対しては、JAとの協議の際に、信連が全体サポートすることや全農から協力支援があることを説明し、両部門でコンサル先を選定することにしたり、営農センターでは集荷業務など不規則な予定が多いため、定例会議は設けず、信連を中心に電話・メールで情報共有体制を整えることにしたという。
担い手から話を聞き出すことが難しいという課題に対しては、事前説明時にアンケート記入をお願いし、後日、担い手と面識のあるJA職員がアンケートを手渡し一緒に記入してもらうことで課題を把握するようにしたことや、打ち合わせの場に担い手と付き合いのある支店職員にも参加してもらい、話しやすい環境を作るといった工夫も紹介された。
そのほかJA全中からは担い手コンサルには事業間連携で取り組む方針が報告され、全農からはコンサルに役立つソリューションなどが報告された。
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