大規模自然災害に危機感を リスク軽減策を探る 日本共済協会がセミナー2022年11月22日
日本共済協会は、頻発する大規模な自然災害に協同組合・相互扶助保険はどのような役割を果たすべきか。このテーマで(一社)日本共済協会は11月18日、東京都内で22年度日本共済セミナーを開き、リスク軽減に向けた共済団体のあり方を探った。同協会結成30周年記念講演会として開催した。オンライン約330人を含め約450人が参加した。
セミナーのパネルディスカッション
日本共済協会は国内の協同組合共済団体を会員とする組織で、共済に関する調査・研究、教育・研修、相談などを行う組織で、現在、JA共済など17団体を会員とする。セミナーでは同協会の廣田政巳会長が気候変動に伴う対規模な自然災害が人々の生活に甚大な影響を与えていることを指摘し、「リスクの軽減に向け、協同組合と共済事業の健全な発展のために共に考えよう」と呼びかけた。
また、国際協同組合保険連合(ICMIF)アジア・オセアニア協会の古和田博子氏がIMISの活動を報告。ICNIFは1922年に設立され、現在60カ国、約200の会員を持ち、会員がそれぞれの市場で持続的に成長できるよう支援する。アジア・オセアニア協会は1984年に設立された。
古和田氏はICNIFの「保障から予防へ」の取り組みを説明。その中で特に、①リスク軽減へのインセンティブを与えるための保険料制度、②リスク軽減と強靭性の確立を確かなものにするための投資、③災害対応やリスク軽減への革新に必要な社会資本の強化などを挙げた。
講演ではスイスのジュネーブから水鳥真美氏がCOP27(国連気候変動枠組み条約締結国会議)に触れ、「2030年までに予防的活動に資金を投与しないと大きな災害に見舞われる恐れがある。気候変動の予防に投資が必要。特に地方や共同体の強靭性強化が一層求められる。2030年までの残された時間は7年しかない」と訴えた。
パネルディスカッションでは、パネリストとしてJA共済連理事長の柳井二三夫氏 、こくみん共済coop(全労災)専務の髙橋忠雄氏、スイス再保険会社の日本における代表者の百々敦浩氏が参加。柳井理事長は、JA共済の取り組みを紹介し、リスクへの認識を高めるとともに、それを防ぐコストを地域で負担するという、地域に根指した協同組合の横の連携を強める必要がある」と話した。
また百々氏は、ICMIFと共に、共済を通じて災害リスクを軽減する活動の支援ツールを開発していることなどを報告した。セミナーと併せて結成30周年記念祝賀会が行われ、ICNIFkのロブ・ウェッセリング会長のメッセージが披露された。
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