小さなJAでも特色ある事業で安定成長を続ける JAみっかびの実践事例とスマート農業を報告 新世紀JA研究会(2)2025年2月12日
新世紀JA研究会と静岡県のJAみっかびは2月6日、静岡県浜松市で「新世紀JA研究会」の第32回全国セミナーを行った。「組合員・地域とともに食と農を支える協同の力」をテーマに、JAみっかびの経営実践とスマート農業の報告を行った。初日の最後に大会アピールを採択し、7日はJAみっかびの柑橘選果場と隣接する特産物直売所を視察した。
共済事業の再構築
共済事業の再構築は二橋厚仁共済課長が説明した。JAみっかびの組合員や地域での共済カバー率は高いが、新契約高は漸減を続けた。保有高はピークの2006年から、19年には4割程度減少し見直しを余儀なくされた。「とどめはLA(ライフアドバイザー)が退職し、他社に移っていったこと」だった。

JAみっかび保有高・新契約高の推移(表)
見直しに向けては、監査法人で全国のJAの事業を支援するトーマツにコンサルティングを要請。LAへのヒヤリングなどを通じて業績評価の「目標ポイントの達成」が最優先の目的になっていた状況を把握した。そのため、共済の目的を組合員や地域住民への「『安心』の提供に転換」し、訪問活動を行動管理の重点にした。再構築は「経営者が覚悟を決め、管理職、LAトレーナーは目的に向かってブレずに推進し、LAの行動にも変化が生まれてきた」という。
トーマツのJA支援事業ユニット、水谷成吾シニアマネジャーは目標ポイントに応じた「お金」をインセンティブにする仕組みでは「共済事業に対する職員の意識は変わらない」と強調した。JAみっかびの再構築では①共済推進の「目的」を明確にする②結果ではなく「行動」を管理する③(行動を)徹底的に「見える化」する、というポイントを設定。"安心"を提供することで「農協ファンの拡大を重視」し、LAの行動に変化をもたらした。
具体的には、目的である「Why(なぜ)」を中心に置き、そこから行動の「How(どうやって)」、具体策の「What(何を)」という順番にすべきこと。これらを具体例を交えて解説し「現在の能力で、できる、できないを判断しては新しいことや困難なことはいつまでもやり遂げられない」とまとめた。
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