あなたたちは強い〝武器〟を持っている JA全国青年大会での「青年の主張」「青年組織活動実績発表」講評 審査委員長・小松泰信さん2025年3月3日
2月27~28日、埼玉県さいたま市で開かれた第71回JA全国青年大会の「JA青年の主張全国大会」「JA青年組織活動実績発表全国大会」では、審査委員長の小松泰信さん(長野県農協地域開発機構研究所長、岡山大学名誉教授)が講評を述べた。以下はその要旨。
第71回JA全国青年大会で青年の主張などへの講評を語る小松泰信・審査委員長
今回の青年の主張と組織活動実績発表をじっくり聞かせていただきました。今回は審査委員の誰からも苦言、要望がなかった、それくらい立派な発表でした。周到な準備をなさったみなさま、サポーターのみなさまに心より敬意を表したいと思います。
青年の主張・最優秀賞について
『Project O』(JAあきた北青年部 谷本弾さん)
東京・町田市から大館市に移住され「親方就農」をキーワードに明確な主張をされました。シンプルですが、だからこそ全国展開が可能だと多くの審査委員が評価しました。このような地道な取り組みが全国各地に広がれば秋田県、大館市だけではなく、多くの自治体は消滅いたしません。立派な親方となっていただくことを心より願っています。
組織活動実績発表・最優秀賞について
「農福のトリセツ~新たな挑戦『横浜モデル』~」(JA横浜青壮年部都田支部 長谷川裕章さん)
JA横浜青壮年部都田支部・長谷川裕章さんの組織活動発表「農福のトリセツ」から
取り組み内容については、当たり前のこととして作成された「工賃算定フロー」が大変立派なものです。「フェアトレードで革新的だ」。相手様から評価されたようですが、逆にいえばどれだけの多くの事業者が障害を抱える人たちの働きをまともに評価していなかったか。胸が痛む思いをしています。それだけではなく、それからさまざまな取り組みをされていることを全審査委員が評価しました。
「見せる技術」もすばらしく、総合的に最優秀賞に値するものです。ただ、今後のことで多くの盟友の方に申し上げておきたいことは、ビジュアルにこだわればいいということではなく、あくまでも取り組み内容、それをより伝えるためのサポート的な技術としてビジュアルはあるということです。本末転倒がないように気を付けていただきたい。
それから近年、最優秀賞に「農福連携」が続いています。来年、再来年、もし農福連携の取り組みでお話しされる組織、青年がおられましたら、これ以上の取り組みでなければならないというぐらいの気持ちで取り組んでいただきたいと思っています。
〝武器〟磨き、理解求めて
以上が講評、選考理由なんですけれども、少しだけ申し上げます。「農業協同組合新聞」の電子版、JAcomに、私が司会をし、JAくるめの八尋義文さんとJAいるま野の飯野芳彦さんの3人で話す企画(座談会「JA全青協OBの思い 経験が糧に」)が、昨日(2月27日)アップされました。われわれが語りたいことはそこに載っていますので、ぜひ見ていただきたいと思います。
それからもしキーフレーズ、重要なセンテンスを取り上げるとすれば、私は、JAしみず青壮年部の佐藤(寛之)さんが最後の方でいわれた「今の農業界、下りエスカレーターを昇っていくような状況で、立ち止まっていたら衰退は免れない」という言葉です。
Never Give Up! が今回の大会テーマになっています。みなさんより先にギブアップするのは消費者です。敢えていうならば、みなさん方には、わけのわからない政治家や政党、そして消費者の命を支えている、生殺与奪の権を持っているという強い〝武器〟を自覚してください。
わけのわからない連中のために頭を下げて「食べて下さい」「農業を守って下さい」という時代ではございません。
あなた方は〝武器〟を持っています。その〝武器〟を磨いて、しかし誠実に理解を求めていく。この2つの取り組みを、これからもしっかりやって下さい。私は応援します。
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