JAの活動:JAトップアンケート 今、農業協同組合がめさずこと
【JAトップアンケート】JA北魚沼 坂大貞次経営管理委員会会長 「複合経営の育成急務」2015年11月9日
今回は、JA北魚沼の坂大貞次経営管理委員会会長のご意見を掲載する。
JA北魚沼
坂大貞次経営管理委員会会長
回答日:2015.9.30
【問1】あなたの農協では、農業・地域に対し、どんな役割を果たそうと考えておられますか。今後もっとも重要な役割だとお考えの内容をお書きください。
(今、わが農業協同組合が目指すこと)
農業の活性化に向けて、地域農業戦略を策定して北魚沼ブランド品目と位置づけ、魚沼コシヒカリ、ユリを始め切り花、タラの芽、ウルイ、フキノトウ、アスパラガス等の冬期促成栽培作物、露地野菜の増産により、農業所得の向上に向けての取り組みを行っており、少しずつ成果が上がってきております。
畜産においては、配合飼料や輸入粗飼料の高止まりにより、畜産経営に大きく影響しましたが、耕畜連携による飼料米の地域内流通に取り組み、コスト削減に大きく貢献しております。
地域に対しては、キッズスクールで育てる、食べる、考える事をテーマに実践しております。
地域農業の担い手中心に婚活パーティーを継続して開催している。地域住民が安心して楽しく生活が出来る事のお手伝いをさせて頂いて居ります。
各地区Aコープにおいては、買い物難民を出さない対策、葬祭センターによる葬祭の簡素化、生涯生活が安定的に行えるようにアドバイスの充実化など、地域と職員が一体となって取り組んでおります。
また、1支店による住民との協同活動が住民と一体となった活動であり、住民から信頼される農協になっております。この活動には、パートナーである准組合員を巻き込んでの価値ある活動であると思います。
【問2】問1の役割を果たすうえで、今、農業・地域での最大の課題は何ですか。
(農業・地域での最大の課題)
地域の人口減少に歯止めがかからない状況です。少子高齢化では、農協事業での事業収益が減少傾向になってきております。農業販売環境も良くなく、販売高も減少傾向となってきております。
稲作農家に担い手育成が困難な状況になってきております。山間部での耕作が多いために規模拡大が出来ない状況で、畦の法面がいっぱいあります事から除草には、大変難儀をしております。用排水の管理は、集落住民総出で取り組まなければ出来ない状況となっており、維持管理が大変なところもあります。
中山間地の農業所得確保が最大の課題となっております。
【問3】問2の課題を解決するため、もっとも力を入れようと考えておられることは何ですか。
(課題を解決するために)
人口減少に歯止めをかけるには、この地域に企業を誘致する事と地場産業の活性化が最も有効だと思います。地場産業である農業の活性化に向けての取り組みも行う必要があります。
稲作農家の農業所得減少に歯止めをかけるべく、複合経営体の育成が急務の課題として、地域農業戦略を策定して取り組んでおります。当地は、豪雪地帯ですが、冬期作物栽培を行っており、雪深い中ではありますが、冬期でも農業所得を確保している。
目標は、年間通して農業所得を確保出来るように作業体系を組む事が出来るように指導するようにしております。
稲作農家に園芸品目へのチャレンジを推奨しておりますが、手間のかかることへの取り組みは苦慮しております。しかし、丁寧に指導することで、取り組んでいただけるものと思います。
【問4】問3に関連して、第27回JA全国大会議案では「9つの重点実施分野」を掲げています。このうち課題を解決し、貴JAがめざす姿を実現するために、もっとも重要と考えておられる事項を3つあげてください。また、その分野において、どんな取り組みを考えておられるのか、具体的内容をお書きください。
a=担い手経営体における個別対応
(具体的取組内容)
家族農家並び担い手経営法人に、地域農業戦略による所得増大
e=新たな担い手の育成や担い手のレベルアップ対策
(具体的取組内容)
経営力、技術力のレベルアップする指導
h=正・准組合員のメンバーシップ強化
(具体的取組内容)
各支店において、正・准組合員一体となったイベント、共同活動
【問5】第27回JA全国大会を機に、JAトップとして内外に発信したいお考えをお書きください。
(JAトップとして内外に発信したい事)
TPPは、日本の農村・農村文化・田園を守ることが出来ません。日本の食糧は、90%以上家族農業で、成り立っております。
農村の、農道、用水路、排水路の管理は、大規模農家だけでは、維持できません。集落住民全体で取り組んでいる状態です。
日本の農村・農村文化・田園を守っていくには、自給率目標を確実にクリアする事が不可欠です。
自給率45%にとどまることなく、自給率向上をめざすべきです。
世界の食糧事情は、食糧争奪戦が各国で始まっております。安く自由に大量買い付けが出来ない時がすぐそこまで来ております。消費者も自国の農家を育てるという意識を持って国産を買うようにしていかないと、農家が消滅してからでは、再生産が難しくなります。そのつけは、消費者自身で追う事になります。
EUでは、食糧自給率の低い国は、外交力が無いとみなされております。食糧安保問題が、いかに大切か認識してほしい。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(171)食料・農業・農村基本計画(13)輸出国から我が国への輸送の状況2025年12月6日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(88)ジチオカーバメート(求電子剤)【防除学習帖】第327回2025年12月6日 -
農薬の正しい使い方(61)変温動物の防除法と上手な農薬の使い方【今さら聞けない営農情報】第327回2025年12月6日 -
スーパーの米価 前週から23円上昇し5kg4335円 過去最高値を更新2025年12月5日 -
支え合い「協同の道」拓く JA愛知東組合長 海野文貴氏(2) 【未来視座 JAトップインタビュー】2025年12月5日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】『タコ市理論』は経済政策使命の決定的違反行為だ 積極財政で弱者犠牲に2025年12月5日 -
食を日本の稼ぎの柱に 農水省が戦略本部を設置2025年12月5日 -
JAの販売品販売高7.7%増加 2024年度総合JA決算概況2025年12月5日 -
ポテトチップからも残留農薬 輸入米に続き検出 国会で追及2025年12月5日 -
生産者補給金 再生産と将来投資が可能な単価水準を JAグループ畜酪要請2025年12月5日 -
第3回「食料・農林水産分野におけるGX加速化研究会」開催 農水省2025年12月5日 -
新感覚&新食感スイーツ「長崎カステリーヌ」農水省「FOODSHIFTセレクション」でW入賞2025年12月5日 -
(464)「ローカル」・「ローカリティ」・「テロワール」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月5日 -
【スマート農業の風】(20)スマート農業を活用したJAのデジタル管理2025年12月5日 -
「もっともっとノウフク2025」応援フェア 農福連携食材を日替わりで提供 JA共済連2025年12月5日 -
若手職員が"将来のあるべき姿"を検討、経営層と意見交換 JA共済連2025年12月5日 -
IT資産の処分業務支援サービス「CIRCULIT」開始 JA三井リースアセット2025年12月5日 -
「KSAS Marketplace」に人材インフラ企業「YUIME」の特定技能人材派遣サービスのコンテンツを掲載 クボタ2025年12月5日 -
剪定界の第一人者マルコ・シモニット氏が来日「第5回JVAシンポジウム特別講演」開催2025年12月5日 -
野菜との出会いや季節の移ろいを楽しむ「食生活に寄り添うアプリ」リリース 坂ノ途中2025年12月5日


































