JAの活動:JAトップアンケート 今、農業協同組合がめさずこと
【JAトップアンケート】JA金沢市 上坂英善代表理事組合長 「地域ごとに農業戦略」2015年11月10日
今回は、JA金沢市の上坂英善代表理事組合長のご意見を掲載する。
JA金沢市
上坂英善代表理事組合長
回答日:2015.9.30
【問1】あなたの農協では、農業・地域に対し、どんな役割を果たそうと考えておられますか。今後もっとも重要な役割だとお考えの内容をお書きください。
私どもの農協の役割は、農家組合員の営農と暮らしを守り向上させることと、金沢市民・県民への食と農の安定供給と発展に寄与することだと理解している。組合員は今、営農販売事業の強化を最もJAに期待しており、そのためには、生産性の向上と有利販売に努め、農業所得の向上を図っていかねばならない。
JA金沢市は、砂丘地域・河北潟地域・平坦地域・中山間地域・市街外化地域の5タイプの農業地域を抱えており、コシヒカリ・夢みづほの米を始め、太きゅうり・源助大根・加賀蓮根・五郎島金時・タケノコなど15品目の加賀野菜、すいか・梨・大根の金沢そだちのブランド、桃・ブドウの果実や花卉など多種・多様な作物が生産されている。金沢市46万人の消費人口も管内にある。JAは40数部会を数えるJA作物部会を組織して、共販体制を固め、県内・県外の販売に取り組んでいる。また、市場流通のほかにJAは3か所の農産物直売所「ほがらか村」を設置して市民への対応をしている。
【問2】問1の役割を果たすうえで、今、農業・地域での最大の課題は何ですか。
農業就業者の高齢化のなか、後継者の育成が喫緊の課題である。米では集落営農の組織づくりを急いでいるが、コメ事情により、集落営農や大型農家への農地シフトでもなかなか採算に合わず、苦労している。野菜や果樹の園芸農家でも一部の品目や経営では、若手が育ちつつあるが全体としてはさらなる経営改善策が急がれている。
【問3】問2の課題を解決するため、もっとも力を入れようと考えておられることは何ですか。
JAでは、農業者の所得増大に向けた方策として、毎年JA金沢市独自支援策(米穀・園芸)を実施している。昨年からは園芸で「作って増やしてかがやき野菜。メイドイン金沢パワーアップ運動」と題して部会への対策費・増反対策費・ハウス助成等を加算して対応している。生産コストの低減に向けての取り組みもより強化する。また、5つの農業地域ごとに農業戦略を組立して農業者の所得の増大に取組む。
今年の3月に北陸新幹線が金沢開業してから、県内の交流人口が大きく増えており、農産物・食の需要消費に期待が広がっている。多いに活用していくことが望まれる。
【問5】第27回JA全国大会を機に、JAトップとして内外に発信したいお考えをお書きください。
TPPは締結すべきでない。日本農業は崩壊してしまう。自給率39%は国民の生命を守るにはあまりにも危険な水準である。
准組合員の利用制限問題は何としても避けなればならない。農業のサポーターとして、JAはしっかりと准組合員と向き合って事業の在り方を検討していかなければならない。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日