JAの活動:JAトップアンケート 今、農業協同組合がめさずこと
【JAトップアンケート】JAくるめ 緒方義範代表理事組合長 「担い手への提案力重視」2015年11月20日
今回は、JAくるめの緒方義範代表理事組合長のご意見を掲載する。
JAくるめ
緒方義範代表理事組合長
回答日:2015.9.30
【問1】あなたの農協では、農業・地域に対し、どんな役割を果たそうと考えておられますか。今後もっとも重要な役割だとお考えの内容をお書きください。
当JA管内においても、都市化した地域と純農村地域が混在しており、農業者の形態に応じたサポート、バックアップの実施が重要と考える。
農業者の形態は、今回の全国大会議案でも提唱されている「担い手経営体」「中核的担い手」「多様な担い手」と同様の枠組でとらえ、各担い手のリクエストに応じることができる体制を整えていく。
また、当JAは平成21年に支所の機能再編を図り、全店舗が貯金量200億を超える4つの総合支店体制を整備している。大きくなった店舗の特性、機能を十分に発揮し、大型店舗ならではの地域貢献できる支店活動を展開させる。
【問2】問1の役割を果たすうえで、今、農業・地域での最大の課題は何ですか。
農業においては、これまでよりも高いレベルでの情報収集、分析、処理能力がJAに求められる。県や市などの地方行政との連携はさらに重要。また、担い手との意思疎通を綿密に図っていくようになるが、担い手の形態に応じて手段・手法も検討していかなければならない。
地域においては、組合員・地域住民との「心の距離」をいかにして縮めていくか。JAを「事業者」として見られるのではなく、ともに地域で活動していく「仲間」と認識してもらうこと。これらの意思をしっかり発信していくことも必要だ。
【問3】問2の課題を解決するため、もっとも力を入れようと考えておられることは何ですか。
「人づくり」に尽きる。農業振興について、若手の次世代層、定年を迎える団塊世代の次世代層など農業者側の「人づくり」も必要であるが、まず求められるのは職員のさらなる能力向上であると認識している。
農業の担い手に応じたサポート、バックアップは、規模が大きくなれば、相応の知識も求められる。「多様な担い手」については、自給的農家から販売農家への回帰促進も重要と考えおり、直売部門を活用した「年金プラスα」の所得向上、さらには「いきがい向上」にもつなげていきたい。現場担当者の提案力しかり、コミュニケーション能力なども必要であり、各担い手から「パートナー」として認識される関係性の構築をさらに進めて行きたい。
また、「地域に貢献できる」とは地域への浸透、「とけこむ」ことができなければ独りよがりになってしまう。本店主導の画一的な動きではなく、その時、その場に応じた発想、判断などの能力が必要。支店長へは、可能な限りの権限を委譲し、支店長采配による、地域ごとの貢献活動を促していきたい。
総合的にみた職員の「人間力」向上が最重要課題である。
【問4】問3に関連して、第27回JA全国大会議案では「9つの重点実施分野」を掲げています。このうち課題を解決し、貴JAがめざす姿を実現するために、もっとも重要と考えておられる事項を3つあげてください。また、その分野において、どんな取り組みを考えておられるのか、具体的内容をお書きください。
a=担い手経営体における個別対応
(具体的取組内容)
・営農担当者の配置手法見直しを含めた個別対応できる体制の検討と整備
b=マーケットインに基づく生産・販売事業方式への転換
(具体的取組内容)
・首長とも連携した市場へのトップセールス等行政と一体となったブランド化推進
・大手小売業者などを対象とした相対取引の拡充
・JAが作業の一部を受託するファーサービス事業拡大による基幹作物の生産振興、市場シェア拡大
g=JA事業を通じた生活インフラ機能の発揮、JAくらしの活動を通じた地域コミュニティの活性化
(具体的取組内容)
・支店長への地域イベントに関する権限委譲と支店実施イベントに対する予算確保
・支店の取組み決定に際し、支店運営協議会が中心となるなど、組合員の代表が参画した支店運営の実施
・事業計画への支店取組み方針など記載による組合員、利用者への情報発信と進捗管理
【問5】第27回JA全国大会を機に、JAトップとして内外に発信したいお考えをお書きください。
今回の農協改革議論においては、策略的な誤ったJAイメージが先行していた感がある。
地域においては、これまでJAの果たしてきた役割、また、これから果たしていきたいと考える役割は、十分、組合員、地域住民に理解いただいていると思っている。JAがその存在する地域において、引き続き活動を継続していくことが、国の目指す地方創生の実現にもつながるものではなかろうか。
農家組合員、また、地域利用者の発展のために、今後も、食と農を基軸とした活動を展開していきたい。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日