JAの活動:2021持続可能な社会を目指して 今こそ我らJAの出番
【特集:今こそ我らJAの出番】企業と連携し、豊かな地域社会へ JA上伊那(長野県) 御子柴茂樹組合長(下)2020年12月23日
コメリのJAコーナー
――これからのJAの出番はどこにあるのでしょうか。
コロナ禍で葬儀が家族葬になったり、各種行事ができなくなったりするなど、伝統文化・生活習慣が大きく変わりつつあります。JAが長年培ってきた事業体制はなかなか変えることができませんが、あえて改革に挑戦しています。
抵抗を恐れず、成果は5年先、10年先に必ず実を結ぶことを信じ、新たなJA創りにあえて挑戦したい。それによりJAが「あってよかった」ではなく「なくてはならない」組織として根付かせる事業を展開したい。
――JA改革の課題はなんでしょうか。
現在、JAは全国に600近くあり、それぞれの地域の文化と暮らしを組合員とともに支えています。政府・全中の進める全国一律の政策では対応できない部分があり、大筋は示してもそれぞれの地域の特徴を活かし、ある程度JAそれぞれの考え方で改革を進めることが地元JAの活力につながると思っています。組合長・理事長は名誉職ではなく経営者としての自覚と責任を持って、新しいJAづくりを進めないと先が危うい状況にあります。
連合会はJAの補完機能として、JAが元気に活動できるよう積極的な支援策を講じていただきたい。
兼業・准組が支える地域の農業
――異業種の経営者と付き合ってJAとのちがいを感じられましたか。
個人的には、経営上のヒントになることがたくさんありました。企業は株主への配当をいかに増やすかを考えて新しい事業に挑戦しますが、JAは経営維持を第一に考える経営者が多く、そこに大きな違いがあると思います。
農協経営は先人たちの積み上げた財産もあり、当面大丈夫だとは思いますが、肝心の正組合員の減少は続き、今後大変厳しくなることが想定されます。JAの経営は金融・共済事業などが生み出す収益が生産販売事業を支えるといった構造は、ますます顕著になるでしょう。「2:8」の論理のなかで2割の生産者が8割の販売高を支える構造のなかではありますが、地域を支える組織としてまた農協の持つ相互扶助の精神・行動をさらに深化することが重要だと思います。
――組合員構造の「2:8」の法則で、「8」には多くの准組合員が含まれています。いま問題になっている准組合員についてはどう思いますか。
准組合員の増加はJA事業利用規制の産物でもありますが、組織を支える存在として扱い、企業でいえば出資者であり正組合員も准組合員も大切な組合員です。協同組合のなかで総合事業ができるのはJAだけです。
その力を削ごうという規制改革推進委員の力がありますが、購買品等の価格は企業に支配され農産物の販売価格は市場原理というギャップが農業衰退・後継者不足の原因だと思います。そのことを規制改革推進会議のメンバーももっと理解して欲しいものです。JA上伊那は、9割の地域安定兼業組合員と准組合員、1割の専業農家と地域集落法人が地域の農業基盤を支え、農業の持つ多面的機能・地域文化・暮らしを守る事業を支えるという重要な役目を果たしています。
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