JAの活動:特集
【第7回JA営農・経済フォーラム】(3)いちご部会の挑戦 JA遠州中央常務 伊藤忠彦氏2021年12月21日
JA遠州中央常務
伊藤忠彦氏
高齢化と気象災害の影響などで販売高の減少が予測されたことから、生産部会意向調査を実施した。担い手個々の経営意向を把握し、将来の担い手の確保とJAの事業量確保が目的である。意向調査から経営規模を拡大したいとする担い手の経営面積は6割を占めることが判明した。生産拡大に向けて生産部会強化シートの作成と実践に取り組んでいる。
まずJA内で部会担当者がシートを作成しJAとしての方針を固める。いちご部会では個々の面談データから10年後の部会像を想定し、JA担当者が販売数量や栽培技術、組織のあり方などの目標を提案する。それを部会役員へ伝えて話し合い、意見要望をふまえてシートを修正し部会としての方針を決める。部会役員は具体的な実践内容を検討するが、思いがあふれ大議論になる。たとえば販売方針では、出荷を簡素化して無駄なく販売を求める部会員もいれば、少しでも付加価値をつけて差別化したいという部会員もいる。議論を繰り返し、共有から共感へと進化、実践へとつながる。
シートによる提案をもとに部会員自らが活動しやすい組織に再編し、地区別組織に加えて目的別の専門協議会も作った。認証制度の研究会や、環境測定クラウド研究である。このうち環境測定クラウド研究会は、新技術の導入により部会員、JA、農林事務所がクラウド上で常につながりハウスの環境モニタリングをする仕組みだ。
また、販売面ではパッケージセンター協議会の取り組みもある。新規就農者の独立と中堅部会員の規模拡大を支援している。
JAでは「e―commit」として営農指導員の出向く活動にも力を入れている。訪問活動を通じて組織の強化と個に対する強化に取り組む。定期的な訪問からニーズやウォンツを引き出し事業提案を行う。
新規就農者を支援するニューファーマーサポート事業や、規模拡大者をサポートするスケールアップ支援事業、ハウス新設・増設をサポートするなどの助成事業も活用しており、行政機関とJAが連携する協議会も設置している。取り組みが奏功し、管内の認定新規就農者は平成28年からの5年間で26名増えた。
めざす将来像の実現に向けて生産部会とJAがそれぞれ役割を持って実践することで達成していきたい。農家が主人公となれるようとことん話し合いを進めることが大事だ。
(2)産地づくり10年ビジョン JA鹿児島県中央会専務 西田和夫氏
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