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JAの活動:第30回JA全国大会 持続可能な社会をめざして

地域を守り命を守る使命を重視 JA全農 折原敬一経営管理委員会会長に聞く(2)【第30回JA全国大会特集】2024年10月10日

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JAグループは10月18日に第30回JA全国大会を開く。大会スローガンは「組合員・地域とともに食と農を支える協同の力~協同活動と総合事業の好循環」。「なくてはならない全農」をめざす姿として生産振興を戦略の柱として事業を展開してきた折原敬一経営管理委員会会長は「現場に立つ組合員の視点を大事にしながら、しっかり事業展開をしていきたい」と語る。JA全国大会への思い、農政の課題などを聞いた。

地域を守り命を守る使命を重視 JA全農 折原敬一経営管理委員会会長に聞く(1)より

JA全農 折原敬一経営管理委員会会長JA全農 折原敬一経営管理委員会会長

――さて、全農は2030年のめざす姿を「持続可能な農業と食の提供のために"なくてはならない全農"であり続ける」としています。今年度は中期事業計画の最終年度で、生産振興、食農バリューチェーン、海外事業展開など6つの戦略を実践してきたと思います。これまでの手応えと次の中期計画の考え方をお聞かせください。

持続可能な農業や食の提供を目指すための6つの戦略に取り組んでおり、今年度が最終年度です。この6つの戦略は今後も継続し、展開していくべきものと判断し、次の中期計画でも、これらを進展させることが重要であると考えています。

生産振興が戦略の柱

そのなかで一番目の生産振興についてが、全農の事業戦略の大きな柱になっていくと思っています。

また、食農バリューチェーンの構築については、様々な企業と協力しており、一例として、全農と企業それぞれの経験を活かしながら商品開発などを行っております。これからも消費者の皆様に安全で新鮮な国産農畜産物をお届けするために取り組みを進めます。

――食品企業との業務提携では加工食品の原材料提供や商品開発ということにとどまらず、物流面でも提携するなど社会課題に応えるような取り組みも進んでいます。

まさに現在の物流問題は我々だけで解決できるものではなく、社会的課題としてとらえる必要があります。労働時間の短縮も含めた働き方改革が求められるなかで、我々は農畜産物をどう消費者に届けるのか、あるいは生産資材についてもどう供給するのか、それも国内だけで賄えるわけではなく、海外からの輸入も行ったうえで考えなくてはならないという大きな視点が求められています。

また、効率的な輸送体制を構築するためには、ブロックや県単位など、より良い方法を模索し、検討することが重要であると考えています。

――JAの経営も厳しいなか、全農がJAを補完する機能が大事になっていると思います。

人材の確保は我々の業界だけの課題ではなく、日本全体の課題となっています。地域でJAが機能発揮していくための支援として、合理的な事務体制、集出荷の人的対応など、どのように体制を構築していくかも大きな課題となっています。そのなかで、全農としては県間調整や連携、あるいは同種の施設の統合などにJAと一緒に取り組むことにより、生産者にしっかりと系統出荷していただけるという姿を描くことが必要だと考えています。

特に老朽化した共同利用施設については整備が必要になっていますし、各地から支援を求める声も聞いています。これはJAの経営問題というだけでなく、農家そのものが存在していけるのか、ということにも繋がる問題だと思っています。

――会長は昨年の就任時に「現場主義と組合員目線」が一番だということ強調されました。今回のJA全国大会議案は「組合員・地域とともに食と農を支える協同の力」をスローガンにしています。大会の意義をどう考えますか。

30回という節目の大会であり、先ほどから申し上げてきている食料・農業・農村基本法の見直しの年でもあります。食料安全保障の確立など農業に関わる課題は数多くあります。

そのなかでも特に、組合員の数が減少していることに対する問題意識から、組合員の視点を大切にし、自分たちが所属する協同組合としてのJAの意義を改めて考える機会にしたいと考えています。そのうえでJA、県域、全国組織という3段階の存在のそれぞれの役割を意識することが重要だと思います。

日本は多様な気候や地形があり、地域ごとに異なる品目や様々な営農形態があります。経済事業においては、その中で、県域、全国、それぞれの役割で、地域性や専門性を活かして現場からのニーズを取りまとめて事業を展開することが求められています。

私自身も、やはり現場に立つ組合員の視点を大事にしながら、しっかり事業展開をしていきたいと考えています。そういう思いがなければ、組織は誰のために存在するのかという疑問が生じます。この観点は職員のみなさんにも伝えております。

全農本所の職員も県本部の職員にも、現場から様々な相談に耳を傾ける立場として、現場に足を運び、悩みや課題を直接聞くことの重要性を常に説いています。

――最後にJAグループの役職員に向けたメッセージをお願いします。

JAグループは日本人の食、命を預かっている組織だと思います。多種多様な産業があるとはいえ、やはり食べることが命につながっています。地域を守り、命を守るという使命を重視し、それにもとづいて行動することを強く願っています。

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