JAの活動:JA全農の若い力
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(1)養豚農家に寄り添い疾病を防ぐ クリニック北日本分室 菅沼彰大さん2025年9月16日
家畜の疾病対策に携わるJA全農・家畜衛生研究所は、ワクチンや混合飼料等の商品開発と疾病の基礎研究を行う研究開発室と、家畜の衛生検査やそれにもとづく生産指導を行うクリニックセンター及び全国5カ所のクリニック分室がある。各地の「若い力」を紹介する。
「飼養」サポートも
JA全農 家畜衛生研究所 クリニック北日本分室 菅沼彰大さん
大学で豚の微生物を研究した菅沼彰大さんは、「食料生産を支えることが獣医師の使命」と考え、2017年、全農・家畜衛生研究所に入会した。
2018年から飼料畜産中央研究所養豚研究室(茨城県つくば市)に配属され、母豚の育成期の飼養管理の改善に取り組んだ。その頃に「全農『若い力』」に登場し(「と畜場で研究成果を検証」、2019年7月12日)、今回は2回目の登場となる。
2024年は1年間、大規模養豚場に出向し、種付けから飼養、出荷までのプロセスに携わった。「今日は子豚の様子が違う」「これは出荷適期だ」。毎日豚と接する農場の人たちの経験から培われた感覚、現場の技にふれたことは「人生の核になるような肌感覚」に結実し一つ自信がついた。
現在はクリニック北日本分室に所属し、週2~3回、養豚農家を回る。豚舎内に入っての観察や、農場従業員への聞き取りなどから衛生的な課題を洗い出し、必要に応じ千葉県佐倉市にある検査センターに検査材料を送って検査。その結果をもとに改善策をアドバイスする。
養豚農家をまわって豚の肥育を見守る菅沼さん
疾病を事前に防ぐことは、農家所得の向上と畜産物の安定供給に直結する。費用がかかることもあり、検査に消極的な生産者もいる。そんな時、「これは絶対必要な検査です」と説得し、思わぬ改善点がわかったこともある。生産者から「検査して良かった」と言ってもらえるとうれしい。
「生産者は来る獣医を選べないので、もっと勉強していくしかありません」と話す菅沼さんは、これまでの経験で得た「病気にとどまらない引き出し」を活用して、母豚の繁殖や飼い方などについてもサポートする。「生産者は大変だと感じます。だからこそ、相談を受けたら、実施可能な対策をアドバイスし、少しでも役立ちたい」と菅沼さんは話す。
近年は猛暑も切実だ。豚舎にミストをかけたり風を送ったり、現場と共に知恵を絞る。豚の頭数が多いと新鮮な空気が減ったり、アンモニアなどの有害なガスが発生したりして、呼吸器にダメージを与えることがある。そうならないよう、風向を見定め、いろいろなガスの濃度を測り、換気量の維持をアドバイスする。
畜産は長年の経験がものを言う職業で、職人気質の人も多いが、若い就農者にはそうした気質と合わない人もいる。身体に刻まれた経験をわかりやすく伝えるのも獣医師の仕事だと菅沼さんは考え、生産者向け講習会の講師も務める。
生産現場と研究部門との懸け橋になりながら、めざすは「頼られる人になる」こと。それぞれの現場はすべてが違い、さまざまな制約の下、頭をひねりながら最適解を探す。「農家の方はもっと苦労されているので、期待に報いられるような仕事をしたい。いい加減だと、自分で許せなくなってしまうので」と菅沼さんは笑顔で語った。
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