食育推進計画、市町村の6割が作成 食育白書2013年6月3日
平成24年度食育推進施策をまとめた内閣府の25年版「食育白書」が5月31日の閣議で了承された。食育白書は食育基本法(平成17年)の規定に基づき国会に提出することとされている。今回で8回目。
◆農業者の関与も重要
今回の白書は食育推進計画を作成・実施している市町村の割合をまとめた。都道府県段階ではすべてが策定しているが、今年3月現在で市町村では1138が策定していた。割合は65.3%となっている。 24年度からの第二次食育推進基本計画では目標を100%としており、昨年の58.2%から増えたことから、目標値の達成に向けて着実に改善していると白書は評価している。
ただ、6県ですべての市町村が計画を策定している一方、それが5割に満たない都道府県も9あるなど差が大きい。これについて白書では、計画策定を行っていない市町村のなかには、食育基本法施行前から教育や健康づくり、農業などの分野で食農教育活動を行い、改めて食育推進計画を策定する予定はないとするところもあるという。
一方、食育推進には幅広い分野が関わることが求められいるが、内閣府の調査では推進計画の策定と実施段階で教育関係者、食育関係者、保健医療関係者の関わりのほか、農林漁業関係者の参画・連携を得たとする市町村の割合は計画段階で52.5%、実施段階で59.8%となっている。事例では生産者やJA職員が食育に関わっている取り組みも紹介している。
今回の白書では食育推進のための、こうした地域の関係者の参加や若い大学生ボランティア活動などの広がりにも期待し「食育の環」の重要性を特集した。
◆地場産給食使用に壁
白書は第二次計画での目標と進捗状況についても報告している。 「食育に関心を持つ国民の割合」は目標値90%以上に対して74.2%。計画策定時の調査(22年12月)の70.5%とくらべほぼ横ばいと評価している。
「朝食または夕食を家族と一緒に食べる『共食』の回数」は、週平均9.5回(朝食4.7回+夕食5.2回)。計画策定時調査の9回から増えた。目標は週10回以上としている。
「朝食を欠食する国民の割合」は、「子ども1.5%」、「20歳代・30歳代男性32.4%」と目標(子ども0%、20・30歳代男性15%以下)に向けて改善はみられない結果となった。
また「学校給食で地場産物を使用する割合」は計画策定時の26.1%から23年度は25.7%に下がった。目標値の30%以上に向けて改善が見られない。内閣府によると、学校や給食センターの現在の食材調達方法や、献立内容、コストなどにまだ課題があるのではないかという。また、調査には東京や大阪といった農業生産の少ない都市部の学校も含まれることも要因だという。
白書では、各都道府県に推進地域を指定、地域の生産者と学校の連携体制を整え、学校給食を食に関する「生きた教材」として活用できる方策について、文部科学省が調査研究を行っていることも紹介している。
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