医療・福祉との連携で新たな付加価値を2013年10月17日
農水省が全国の連携事例を紹介
農水省は10月15日、省内で医福食農連携事例発表会を開催。高機能性食品の開発や障害者の雇用などに取り組むさまざまな団体・企業がその活動を紹介した。
◆海外へのソフト提供も視野に
「医福食農連携」は、6月に閣議決定された日本再興戦略のなかに盛り込まれている。医療や福祉など異業種と連携し、農業や食品産業で新たな取り組みをめざそうというものだ。
農水省では、すでに全国各地で行われている連携事例85件を紹介する事例集を作成。ホームページで公開している。この中には、JA茨城みずほが開発した老化抑制作用を持つ乳酸菌「H61株」や、JA氷見市の高機能ハトムギ商品による町おこし、などJAグループの活動も取り上げられている。
事例発表会は、今回が初の試み。林芳正農相は、「すでに現場では以前からこうした連携が進んでいた。その成功事例を全国で共有し、ネットワークを広げたい」と連携の拡大をめざすとともに、「日本は世界的な長寿国。高齢化の先進国として、これから同じ道を辿ろうとしている海外へ将来的にソフトの提供もできるのではないかと思う」と、その先の展開への期待を述べた。
(写真)
あいさつする林農相
◆障害者就労率、わずか6%
発表会では、[1]高い機能性を持つカンキツ類の加工副産物の利用[2](株)ツムラの薬用作物生産と厚労省の支援策[3]東京中央食品(株)の介護食品開発[4]心身障害者や高齢者による農業現場での雇用促進、の4つの事例発表があった。
障害者の雇用について発表したのはNPO法人つくばアグリチャレンジだ。
身体・知的・精神障害者の雇用率は、障害者数744万人に対し、6%の45万人に留まる。同法人は、なかでも1%以下ともっとも就労率が低い精神障害者を雇用し農産物の生産・加工・販売を行っている。15人の運営スタッフで、期間従業員も含めて70人を雇用している。当面の課題は、「通年作業ができる環境。常に10品目ほどの少量多品目を生産したい」(五十嵐立青代表理事)という。「毎日トラブル続き」だが、「自閉症などで人前に出られなかった人でも、青空と太陽の下で農作業をしていると、明らかに表情が変わるのがわかる」と、活動のやりがいを紹介した。
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