農産物輸出で物流検討会 農水・国交省2014年1月28日
農林水産省と国土交通省は「農林水産物・食品の輸出に係る物流検討会」を立ち上げ1月24日、第1回会合を開いた。
政府は、2020年に農林水産物・食品の輸出額を現在の4500億円から1兆円へと倍増させる方針を、昨年末に決めた「農林水産業・地域の活力創造プラン」などで決定している。
同時にこの実現に向けては関係省庁が協力することも強調されたことから、今回の検討会は、物流面からの支援を検討するために国交省の物流政策課などと、農水省食料産業局輸出促進グループが連携して設置した。▽国内荷物の集約によるロットの確保▽共同配送などによる物流効率化▽輸送時の品質の維持▽海外マーケットの開拓、などに物流業界が取り組むことによって輸出拡大を図るのが狙い。
座長には流通経済大学の林克彦教授が選任され「日本の高品質の農産物を高水準の物流によって輸出拡大することは、諸外国の消費者の豊かな生活に貢献することになる」などとあいさつした。 この日の会合では両省からの現状報告と日本通運、ヤマト運輸、JA全農など関係企業・団体から農産物輸出の取り組みなどが報告されたあと課題を意見交換した。
意見交換では▽青果物輸出をいかに増やすか▽船舶を使い、いかに早く低温で衝撃なく輸出するか▽産地間競争ではなくオールジャパンの取り組みで▽コンテナに積載する際の包装技術▽輸出しても帰りが空ではコスト増につながる。“送って戻る”流れのなかでコストを考えるべき、などの指摘が出た。
検討会は今年度内で方向性をまとめ、来年度にさらに検討を深めるという。
(写真)
1月24日に開かれた第1回農林水産物・食品の輸出に係る物流検討会。あいさつする座長の林克彦・流通経済大学教授
【物流検討会委員】(敬称略)
▽流通経済大教授・林克彦(座長)
▽日本通運航空事業部長・池田誠
▽ヤマト運輸グローバル事業推進部長・梅津克彦
▽日本通運海運事業部長・小野隆義
▽福岡農産物通商代表取締役・坂井紳一郎
▽日本貿易振興機構農林水産・食品部長・下村聡
▽日本物流団体連合会理事(事務局長)・宿谷肇
▽JA全農営農販売企画部長・中澤靖彦
▽日本アクセス国際貿易部長・中島章博
▽日本経済団体連合会常務理事・椋田哲史
▽日本郵便国際事業部長・目時政彦
▽農林水産省大臣官房参事官・小川良介
▽国土交通省総合政策局物流政策課長・金井昭彦
▽国土交通省総合政策局国際物流課長・小瀬達之(敬称略)
(関連記事)
・全農シンガポール事務所開設 牛肉の輸出拡大(2013.11.07)
・農業経営者、輸出に高い関心 公庫が意識調査(2013.10.02)
・有機JAS農産物、米国への輸出可能に(2013.09.30)
・スイスへの有機加工食品 輸出制限が緩和(2013.07.03)
・精米の輸出目標は1万t 農水省の輸出戦略(2013.05.27)
重要な記事
最新の記事
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】なぜ多様な農業経営体が大切なのか2024年3月28日
-
全国の総合JA535から507に 4月1日から 全中2024年3月28日
-
消える故郷-終りに、そしてはじめに-【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第284回2024年3月28日
-
岩手銀行、NTT東日本、JDSCが「岩手県の『食とエネルギーの総合産地化』プロジェクト」を共同宣言2024年3月28日
-
「日曹コテツフロアブル」登録変更 日本曹達2024年3月28日
-
適用拡大情報 殺虫剤「プレバソンフロアブル5」 FMC2024年3月28日
-
飼料用米を食料安保の要に 飼料用米振興協会が政策提言2024年3月28日
-
肥料袋の原料の一部をリサイクル樹脂へ置換え 片倉コープアグリ2024年3月28日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2024年3月28日
-
純烈が熱唱 新CM「おいしい雪印メグミルク牛乳 ゴクうまボトル」公開2024年3月28日
-
むすびえ「ウェルビーイングアワード 2024」活動・アクション部門グランプリを受賞2024年3月28日
-
「物流の2024年問題」全国の青果センターの中継拠点化で「共同輸配送」促進 ファーマインド2024年3月28日
-
ポストハーベスト事業 米国子会社を譲渡 住友化学2024年3月28日
-
農業の「経営技術」を習得 無料オンライン勉強会を隔月で開催 ココカラ2024年3月28日
-
森林由来クレジット販売プラットフォーム立上げ第一号案件を売買全森連×農林中金2024年3月28日
-
新規需要米に適した水稲新品種「あきいいな」育成 耐病性が優れ安定生産が可能に 農研機構2024年3月28日
-
食品ロス削減に貢献 コープ商品6品を3月から順次拡充 日本生協連2024年3月28日
-
最適な雑草防除をサポート「my防除」一般向け提供開始 バイエルクロップサイエンス2024年3月28日
-
国産和牛が当たる 「春の農協シリーズキャンペーン2024」4月1日から実施2024年3月28日
-
れんこん腐敗病の課題解決へ JA大津松茂と圃場検証を実施 AGRI SMILE2024年3月28日