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2015.02.06 
【農協改革】再検討を政府・与党に要請 全中一覧へ

・政府案に反対多数
・地域振興の役割明記を

 JA全中の萬歳章会長は2月5日の会見で政府・自民党が示している農協改革案に対して「具体的な問題点やわれわれが考える方向性を整理したうえで引き続き協議していきたい」と再検討を求める考えを明らかにした。また、冨士専務は、農協法改正では第一条の目的規定のなかに農協の果たすべき役割として地域振興を盛り込む改正を求めていくことも明らかにした。

◆政府案に反対多数

5日の会見での萬歳会長 政府・自民党は中央会制度について、▽JA全中の全国監査機構を分離し監査法人として独立させる、▽全中は一般社団法人化する、▽県中央会は連合会として農協法に位置づける、などの改革案を示しているとされる。監査については新たな監査法人が、現在の中央会監査と同じような会計監査と業務監査を行うことも検討しているという。
 また、准組合員制度については利用制限を導入する方向で検討している。
 JA全中は5日、理事会と緊急の全国会長会議を開催した。
 会議では政府案に対して理解を示す意見はなく、反対、あるいは「理解ができない、分からない」という意見が多かったという。萬歳会長は「検証を要する問題がまだまだあるということ」と述べたほか「農協改革は農家所得の向上が目標だと思っている。それと中央会制度、准組合員問題がどういう関連のなかで、みなさんに説明がつくのか、非常に理解しがたい面がある」と指摘した。
 冨士専務によると、監査については▽新しい監査法人でこれまでと同じ監査ができるのか、▽新制度を作っても機能するのか、▽JAのコスト負担が膨大になるのではないか、などの問題があり「制度上、実態上の検証をすべき」と指摘した。
 中央会制度のついては▽なぜ県中央会を連合会とし、全中は一般社団法人なのか、▽代表機能や総合調整機能は認めていながらなぜ県段階と全国段階の組織形態を変えるのか、といったことについて政府・自民党から説明を求めるとともに、「なぜわれわれの考え方が反映されないのかを議論していく必要もある」と強調した。

(写真)
5日の会見での萬歳会長

 

◆地域振興の役割明記を

 准組合員の利用制限については全国会長会議では反対の意見が上がった。「正組合員も准組合員も組合員。一緒になって農業振興、地域振興に役割を果たしている実態を主張すべきだ」、「地方創生という流れのなかで准組合員制度はしっかり維持していく必要がある」などの意見が出された。
 萬歳会長は「准組合員も出資して参加している。協同組合の理念を共有する同志だという扱いのなかで、それを農協法上に位置づけてほしい」と話した。
 冨士専務によると具体的には農協法第1条の「目的」に農協の果たすべき役割として地域振興を盛り込む改正を求めていく考えを示した。
 食料・農業・農村基本法は農協など農業団体について「基本理念の実現に主体的に努めるものとする」(第9条農業者等の努力)と定めている。基本法が掲げる「基本理念」は▽食料の安定供給の確保、▽多面的機能の発揮、▽農業の持続的な発展、▽農村の振興の4つ。この規定をふまえ、農協の役割に地域振興を明記して基本法との整合性を図ると同時に、准組合員も含めて農業と地域振興に一体的に取り組む農協事業の根拠とするという考えだ。同時に、准組合員と正組合員との権利関係についてはJAグループとして検討を進めていくことにしている。
 6日には自民党本部で萬歳会長らが政府・党幹部らにこれらの考え方を伝え協議を続けることになった。


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