「農協改革断行を」有村規制改革担当大臣2015年1月29日
農水次官に「伝達」
政府の規制改革担当の有村治子大臣は1月29日、農林水産省の皆川芳嗣事務次官を内閣府の大臣室に呼び、「農協改革」は安倍内閣の最重要事項であるとして改革を断行するよう口頭で"伝達"した。
有村大臣は「農協改革に関する検討が連日行われているさなかだが、規制改革担当大臣として私の考えを改めて農林水産省のみなさまにお伝えしたい。安倍総理も今国会を改革断行国会と位置づけており、安倍内閣の最重要事項である」と切り出した。
そのうえで農協改革ついて以下のように発言した。発言のなかでは規制改革会議の農協改革に関する提言についても「その趣旨が最大限発揮されるよう尽力を」と皆川次官に求めた。
「農協改革とは、農業に従事している方々の実利実益、福利の向上につながってこその農協改革。西川農水大臣をはじめご尽力をしていただいているが、まさにその改革の成否を分ける大事な時期に来ていると、担当大臣としても規制改革の側面から認識している。
ここで規制改革会議など私どもが心して提言をさせていただいたその趣旨が最大限発揮されるようになお一層のご尽力をいただきたいと思う。
あくまで農業者のみなさん、地域の農協が主役となっていただいて自由な行動をしていただく、経営感覚をそれぞれの地域で発揮していただいて自由度を高めるということが主眼であり、当然のことながら農協つぶしとか、あるいは改革のための改革というものではまったくないが、その趣旨にご心配の向きもかなりあろうかという現実も把握している。心理的にも、そうではない、この改革の先にどんな果実が農業者の方々にあるのか、地域の農協の方々のメリットを共有していただく作業も、ぜひ丁寧に進めていただきたい。単に対立構造というのではなくて、共感を生むための対話にも引き続きお力をいただきたい。
改革が主権者たる国民にとってどういう意味があるかということもしっかりとお伝えしていただきながら、改革を断行していただきたいと思う。しっかりと志を合わせてサポートさせていただきたい」。
これを受け皆川事務次官は「いただいた言葉を西川大臣にご報告する。省内にも今回の改革の本旨といったことについて徹底をさせていきたい」と述べた。
(写真)
有村規制改革担当大臣(左)と皆川農水次官
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