三井住友銀行が農業参入-こまち協会と法人設立2016年6月16日
三井住友銀行は6月15日、秋田県大潟村の農業生産法人と共同で新たな農地所有適格法人を7月に設立すると発表した。
新法人は、大潟村あきたこまち生産者協会(涌井徹社長)と三井住友銀行、農機のリース事業も行う三井住友ファイナンス&リース、秋田銀行が共同して設立する。
秋田銀行は地銀として農業経営支援ノウハウを持つことから三井住友銀行が提携を働きかけた。両行は銀行法の規定上限の5%ずつを出資する。全出資額は非開示。なお、NECキャピタルソリューションもこの取り組みへの参画を検討しているという。
7月末をめどに涌井氏を代表者に新法人を設立する。米を中心に農産物の販売と農作業受託、農産物の販売業務などを展開する。現段階では新法人名は未定。
三井住友銀行はこまち協会と協働し、日本の農業技術・6次産業化ノウハウをインドネシアに移転・普及させるプロジェクトにも取り組んでいる。また、大潟村でのインドネシア研修生の受け入れ、ジャカルタでの農業関係者向けワークショップの開催と同国の米や加工品の市場調査、事業化調査なども進めている。
同行では高齢化や、輸入農産物との競争激化により担い手への農地集約が一層求められることから、金融機関の経営支援ノウハウを活かした共同事業体がその受け皿になるとみている。今回は稲作での法人設立だが、他県でも地域のニーズに合わせ地銀と連携するなどのかたちで稲作以外の品目も含め法人設立を検討していきたいという。
「農地所有適格法人」とは、今年4月の改正農地施行でそれまでの「農業生産法人」から農地を所有できる法人として明確にするため呼び方が変わったもの。
法人の要件見直しでは、農業関係者の議決権は総議決権の「4分の3以上」から「2分の1超」に引き下げられたほか、農業関係者に農地中間管理機構または農地利用集積円滑化団体を通じて法人に農地を貸し付けている個人も追加された。
農業関係者以外の議決権は総議決権の「4分の1以下」から「2分の1未満」に引き上げられた。また、農業生産法人と継続的に取引する関連事業者に限定するという要件は撤廃された。今回のメガバンクの参入はこの要件を活用した。
役員要件は、農業の常時従事者である役員の過半が農作業従事(原則年間60日以上)だったが、見直し後は「役員又は重要な使用人(農場長等)のうち1人以上が農作業に従事(原則年間60日以上)」となった。
重要な記事
最新の記事
-
小泉農相 米の緊急輸入は「否定されるべきではない」2025年6月7日
-
シンとんぼ(145)-改正食料・農業・農村基本法(31)-2025年6月7日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(62)【防除学習帖】第301回2025年6月7日
-
農薬の正しい使い方(35)【今さら聞けない営農情報】第301回2025年6月7日
-
【注意報】さとうきびに黒穂病 多良間島で多発のおそれ 沖縄県2025年6月6日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 久米島で多発のおそれ 沖縄県2025年6月6日
-
備蓄米なくなれば米の緊急輸入も 小泉農相表明2025年6月6日
-
全農 備蓄米 出荷済数量7割に 6月5日現在2025年6月6日
-
米価 「下がる見通し」判断増えず 米穀機構2025年6月6日
-
【動き始めたバイオスティミュラント】農水省がガイドラインを公表 今後は業界の自主的なルール作りと適切な運用が課題に2025年6月6日
-
米の自給守り抜く瀬戸際 農家への所得補償を 国会内で緊急集会2025年6月6日
-
供給過剰なら備蓄米確保を JA全中 山野会長2025年6月6日
-
【'25新組合長に聞く】JA馬路村(高知) 長野桃太氏(3/26就任) 「村興し」のその先へ2025年6月6日
-
【統計】りんごの収穫量 前年産比1%増 農水省2025年6月6日
-
【統計】みかんの収穫量 前年産比18%減 農水省2025年6月6日
-
(438)食と金融における「余白」と「ゆらぎ」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月6日
-
【JA人事】JAひがし宗谷(北海道)佐藤裕司組合長を再任(5月16日)2025年6月6日
-
大手農機メーカーの大型作業機が集結 JAグループ宮城の「営農支援フェア2025」2025年6月6日
-
若手農業従事者90人に聞いた「農作業と熱中症に関する実態調査」草刈り、薬剤散布は特に注意2025年6月6日
-
タイの研究開発拠点を拡張 現地ニーズを反映した製品開発を加速 クボタ2025年6月6日