GAP認証農場 3倍以上に-自民PT2017年5月10日
自民党の農林水産業骨太方針実行プロジェクトチーム(小泉進次郎委員長)は5月9日、農業生産工程管理(GAP)の認証取得を平成31年度末に現状の3倍以上とするなどの規格・認証戦略の提言骨子をとりまとめた。
骨太方針実行PTの「規格・認証等戦略検討チーム」(山田修路主査)がGAPのほか、HACCP(ハサップ、食品安全管理規格)、JAS(日本農林規格)制度、GI(地理的表示)の活用による農業の成長戦略を検討してきた。
とりまとめにあたっての基本的な考え方は、農業者などが規格・認証・知的財産をうまく活用し▽わが国の生産・製造等の現場改革と▽日本の農産物・食品の価値を取引先・消費者に適正に伝え信頼を高めることによる競争力の強化を実現する、というもの。
政策の枠組みを(1)第1期:2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までの期間、(2)第2期:オリパラ後の姿(2021~2030年)の2期に分けて整理している。
第1期を集中期間としてGAPについては2018年度(平成30年度)中にJAの営農指導員などのGAP指導員を全国で1000人以上確保する。
認証取得は2019年度(31年度)末までに現状の3倍以上の農場での取得を目標とする。
現状はグローバルGAP取得が386経営体、JGAP取得が4100経営体の合計4500経営体。農水省によると、この6年間で3倍に増えたが、これを加速させるため今年度からの3年で3倍以上の1万3500経営体以上とする数値目標を掲げる。
東京五輪は2020年夏。20年3月末までに目標のGAP取得農場数を確保し、大会に必要な食材量を余裕をもって十分に供給できるようにすることも目標としている。
また、東京五輪までの第1期中は都道府県GAPもオリパラ調達基準を満たす農林水産省ガイドライン準拠に統一し各県の取り組みの実効性を確保するが、オリパラ後の第2期は農林水産省のガイドラインを国際水準レベルに改訂し、すべての国内産地で国際水準GAPが実施されることを目標とする。そのため都道府県等のGAPは発展的に解消することになるという。
HACCP対応では日本発の食品安全管理規格(JFS)が国際承認を得て国内外で認知、認証が拡大することをめざす。
JAS制度では国際化を見据えて新たな規格を20規格以上制定することを目標にしている。
PTでは今月中旬に提言を文書としてとりまとめる。ただ、この日示した文書では、GAP取得等の推進にあたっての課題として「農業者やJA部会の意識改革が必要」、「農薬袋処分の問題など現場での指導が不足」などと指摘されており、議員からは「現場では若い人が真剣に取り組んでいる。上から目線だ」、「農家に向かってこんなことは言えない」などの意見も出て農水省担当者が「ヒアリングで出された意見の一部。とりまとめ文書では留意する」などと釈明に追われる場面もあった。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日