全面コンクリート張りハウス 事前届出で農地扱い-農水省方針2017年11月22日
農林水産省は全面コンクリート張りの農業用ハウスを農地として扱う法改正を検討しているが、施設が周囲の営農に悪影響を与えないことが確認されたものとし、また、事前に農業委員会に届け出る仕組みも整備する方針だ。11月21日の自民党農業基本政策検討委員会に対応方向を示した。
収穫用レールなどを導入して農作業を効率化したり、高設棚などによる水耕栽培を導入するなどして農作業を高度化する目的で内部を全面的にコンクリート張りにした農業ハウスについては農地転用の許可を不要とする。
税制上の扱いについては、施設についての固定資産税評価は変えず、土地についての評価を農地としての評価額に変更する。
農水省によると2ha程度の次世代型大規模園芸施設の平均的な評価額は4~5億円で施設の固定資産税は約560万円になるという(約4億円×1.4%)。そのほかに農地と造成費を合わせた評価額が約1740万円(農地評価額=約140万円、造成費=約1600万円)で、土地の固定資産税は約24万円となる。
これを農地扱いにしても施設は同じものなので施設への固定資産税約560万円は変わらないが、農地としての固定資産税は農地評価額約140万円に対する約2万円だけになる。約22万円、負担が軽減されることになる。
11月7日に自民党の会合では転用の抜け穴にならないよう計画とは別のものが建設された場合にチェックする仕組みが必要との指摘があったが、農水省は施設が建設される前に、事前に確認できるよう施設を設置しようとする者は、あらかじめ農業委員会に届け出る方向で検討する方針だ。
また、対象とするのは▽周囲の営農に悪影響を与えないこと、▽現在の技術の水準を的確に反映したもの、などを勘案して決めるとしている。
法改正されても農地扱いとなるのは、施行日以降に新たに対象となる施設を設置する場合に適用する方向で検討する方針だ。次期通常国会に改正法を提出する方向で検討していく。
一方、規制改革推進会議の農林WGでも議論されており、11月15日には農水省から検討状況のヒアリングを行った。会合では、農業現場ではさまざまなニーズがあるとして、農地扱いとする範囲をハウス内に限定せずに柔軟に考えてはどうかといった意見が出た。また、野菜工場についても対象とすべきとの意見がこれまでの会合で出されている。
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