政策決定過程「整理し直す必要がある」-JA全中・中家会長2017年12月8日
JA全中の中家徹会長は12月7日の定例記者会見で卸売市場法の改革について「JAグループの求めてきた内容を反映したものとなった」と一定の評価をするとともに、規制改革推進会議の提言をもとに政策決定が行われることに対して「もう一度整理し直す必要があるのではないか」と指摘した。
中家会長は卸売市場改革について「当初懸念された市場機能の弱体化につながるものではなく、JAグループの求めてきた内容を反映したものとなった」と一定に評価した。そのうえで、今後、次期通常国会の提出をめざし法案検討が進むが「現場に懸念がないよう、また食料安定供給など市場の果たしている公的機能がしっかり担保されているか、引き続き検討状況を注視していきたい」と強調した。法案として示されない限り予断は許されないとの認識もにじませる。
卸売市場法を含む流通構造の改革議論は「農協改革」、「全農改革」と同様、内閣府の規制改革推進会議が主導し、同会議委員から「そもそもこの法律を廃止して次のステージに行くことこそ、結論になる」などと極論も出て、卸売市場の「受託拒否の禁止も廃止」などの「提言」をまとめた。
最終的には与党の議論で制度は見直すが卸売市場法は堅持する方向になったが、中家会長は「提言そのものが現場の実態と大変かけ離れたものであって正直驚いた」と述べ、提言を受けて「最終的な着地点を見出すというこのやり方がいいのか疑問に思っている」「政策決定していく過程には国会議員や審議会の委員もいるなど、いろいろなプロセスがあると思う。そこはもう一度整理し直す必要があるのではないか」と指摘した。
(関連記事)
・卸売市場法は弱者の砦(17.12.11)
・先進的JAに学ぶ 全中が自己改革でトップフォーラム(17.12.11)
・政策決定過程「整理し直す必要がある」-JA全中・中家会長(17.12.08)
・【農業と地域守り抜くJA自己改革着実に】姉妹3JAトップが意見交換(前半)(17.12.07)
・農業のあらゆる分野をコーディネートするF-TACへ(17.11.22)
・大澤農水省経営局長が講演 改革は地域の特性生かして(17.11.16)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































