農政 ニュース詳細

2018.08.28 
農業資材 販売価格に大きな幅-農水省調査一覧へ

 農林水産省は8月27日、肥料、農薬など農業生産資材の販売価格調査結果を公表した。各品目で販売価格に大きな幅があることが明らかになった。農林水産省は調査結果を広く農業者に周知するとともに、良質で低廉な生産資材の供給を実現するための施策のあり方について検討を進めていくとしている。

 この調査は、昨年8月1日に施行された農業競争力強化支援法に基づくもの。同法は国内外における農業資材の供給と農産物流通について調査し結果を公表することを定めており、付則で最初の調査を法律施行から1年以内に行うこととした。
 調査は肥料や農薬などについて担い手が日頃利用しているJA店舗や資材販売店を対象に店頭での販売価格をアンケート調査した。
 調査にあたっては日本農業法人協会や4Hクラブ(農業青年クラブ)のメンバー、農水省の農業女子プロジェクトに参加している女性農業者などから日頃利用している資材販売店を聞き、約480店舗に調査票を郵送した。調査は今年2月に実施。約320店舗から回答を得た。
 調査資材は肥料、農薬、被覆資材、段ボール。店頭販売価格を調査し庭先までの配送サービスなどは配慮していない。また、特売価格など割引価格は対象とせず、通常販売価格で消費税込み価格を回答してもらった。農水省によると回答を寄せた調査店舗のうち、もっとも多いのが農業資材販売店、ついでJA、ホームセンターだという。

国内外における農業資材の供給の状況に関する調査について < 肥料 > 平成30年8月農林水産省 

 肥料については石灰窒素、硫安など単肥で6銘柄、化成肥料3銘柄、緩行性肥料1銘柄の計10銘柄を調査した。結果は最小価格と最大価格の差は平均2倍弱で価格差が最大だったのはヨウリン(粒、20kg)で、820円~2401円で約2.9倍だった。

 

国内外における農業資材の供給の状況に関する調査について < 農薬 > 平成30年8月農林水産省 

 農薬は除草剤、殺虫剤、殺菌剤それぞれ7銘柄、合計21銘柄を調査した。農薬も価格差は平均で2倍弱となり、価格差が最大だったのは殺虫剤のクロチアニジン水溶剤(16%、250g)で1846円~5044円で約2.7倍だった。
 被覆用資材ではトンネル用資材(ポリ塩化ビニル、厚さ0.05mm、幅185cm長さ100m)が4298円~1万7496円(平均1万594円)など大きな幅があった。段ボールもダイコン用(10kg)で59円~179円(平均105円)と幅があった。
 農業用機械については主要メーカーに対してもっとも売れている型式の希望小売価格の聞き取り調査を実施した。それによるとトラクターの100~140馬力クラスでは860万円~1600万円など幅があった。
 また、配合飼料については畜産経営者約300戸にアンケート調査を実施した。それによると肉牛肥育で1t3万7000円~6万8000円など幅があった。そのほか、農業用ハウスについても施行費用込みの価格を10aあたりで調べたところパイプハウスで3275円~1万8056円と幅があった。
 農水省は今回の調査結果について、店舗の種別や地域による価格傾向などはみられていないという。同一地域内で同じ資材で価格差があるかも明らかにしていないが、こうした調査結果を示すことによって「農家が農業資材を自由に選択できるようになることが狙い」だといい、秋以降、農家に調査結果を示して意見交換し、来年の調査の検討に活かすという。
 ただ、今回の調査結果は庭先までの配送サービスなどの有無は含まれておらず、また、同一銘柄でも取扱い量による価格引下げなどの要因もあるため、調査結果をどう評価するかは難しい面もある。
 一方でJAグループによる生産現場の声を反映した大型トラクターの共同購入による価格引下げの実現や、肥料の大幅な銘柄集約の取り組みなども着実に進んでおり、今後の農業振興にはそうした「新たな共同購入」による生産コスト引き下げの取り組みも重視する必要がある。

 

(関連記事)
販売品取扱高 2年連続で拡大-JA自己改革(18.08.08)
JA支援強化に向けた全農の取り組み ー次期3か年計画策定に向けてー(18.07.31)
今年度の全農自己改革の重点的課題(18.07.30)
JA全農の取扱高4兆6382億円 平成29年度の取扱高実績(18.07.30)
【意見交換】資材価格の引き下げ 販売増と規模拡大へ(18.07.24)
肥料農薬・安く良質な資材を調達・供給【引屋敷 透・JA全農肥料農薬部長】(18.06.26)

一覧はこちら

このページの先頭へ

このページの先頭へ