西日本でトビイロウンカに注意 病害虫発生予報 農水省2020年8月18日
農林水産省が発表した令和2年度病害虫発生予報第6号(8月5日発表)によると、向こう1か月では、水稲でトビイロウンカが近畿、中四国、九州の一部地域で発生が多くなると予想されており一部の県では警報が発表されている。
気象庁の向こう1か月予報(7月30日付け)では平均気温は全国的に平年より高く平均降水量は北日本日本海側で平年並みまたは平年より多く、西日本太平洋側で平年並みまたは平年より少ないと予想されている。
【水稲】
・いもち病(穂いもち)の発生が、関東、甲信、北陸、東海、中国及び四国の一部の地域で多くなると予想。第5号の発表以降、葉いもちが広域に発生している複数の県から注意報が発表され、一部の地域では上位葉に葉いもち病斑が見られたことから、早期の薬剤散布が指導されている。当該地域では、断続的な降雨により水稲の葉面が湿潤となり、本病に感染しやすい好適な条件となると、急激に穂いもちに進展するおそれがある。
今後の本田散布に際しては、本田での発生状況を把握するとともに、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に検討するよう呼びかけている。
・紋枯病の発生が、南東北、北関東、北陸及び東海の一部の地域で多くなると予想。とくに昨年、多発したほ場では本年も多発するおそれがあると注意を呼びかけている。本病は高温多湿条件で発生が助長され、病勢は少しずつ進展していくことから今後の発生状況に注意したい。
・コブノメイガの発生が、北東北、北陸、近畿、中国、四国及び九州の一部の地域で多くなると予想。上位葉での被害が多くなると収量に影響するので、本害虫の本田での発生状況を把握するとともに、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に若齢幼虫の最盛期をとらえた防除を実施する呼びかけている。
・セジロウンカの発生が、北海道、北陸、中国及び四国の一部の地域で多くなると予想されている。本虫は、梅雨時期に中国大陸から飛来し、本田で増殖して水稲を加害する。本田の見回りの際には株元を注意深く観察し、株元に褐色の点、またはすじ状の傷(産卵痕)が目立ち、成虫または幼虫の発生が多く見られる場合は、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に適期防除の実施をと呼びかけている。
・トビイロウンカの発生が、近畿、中国、四国及び九州の一部の地域で多くなると予想されている。第5号の発表以降、平年を上回る広域かつ高密度の発生が確認され複数の県で注意報、山口県では警報が発表されている。本虫は、梅雨時期に中国大陸から飛来し、夏以降に高温少雨傾向になると本田で急激に増殖し、一部に集中して稲を枯れさせ倒伏させる被害(坪枯れ)を引き起こす、また、近年では一部の薬剤に対し抵抗性を持つトビイロウンカの飛来が報告されている。
・斑点米カメムシ類の発生が、北東北、関東、甲信、北陸、東海及び中国の一部の地域で多くなると予想。第5号の発表以降、平年を上回る広域かつ高密度の発生が確認された複数の県で注意報が発表されている。本虫は、本田周辺の雑草に生息、出穂期になると本田に侵入し穂を加害する。このため出穂期を迎えた地域では、本田周辺雑草の除草作業は控えるよう呼びかけている。
野菜類ではハスモンヨトウの発生が関東、中四国の一部で多くなると予想。果樹では果樹カメムシ類の発生が本州以南で多くなると予想されている。
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