いちごのハダニ類寄生に注意 長崎県2020年11月4日
長崎県病害虫防除所は、県内全体にいちごのハダニ類発生が多発していることを受け、11月2日に病害虫発生予察注意報第11号を発表した。
10月後期の巡回調査(26筆)の結果、いちごのハダニ類寄生株率は10.7%(平年4.0%)、発生ほ場率は69.2%(平年25.6%)と平年より高く、地域によっては多発生ほ場が認められた。
「いちご ハダニ類 寄生株率」「いちご ハダニ類 発生圃場率」
10月29日に福岡管区気象台が発表した気象予報によると、向こう1カ月の気温は平年並みか高く、ビニール被覆のほ場ではハダニ類の発生に好適な環境となる見通しだ。
防除対策では年内にハダニ類の発生が多くなると、年明け以降の防除が困難となるため、ほ場全体を観察して早期発見に努め、発生密度の低いうちに防除を行うことを呼びかけている。
薬液散布の際は、葉の裏に多く寄生するため葉裏に十分かかるように丁寧に散布する。また、同一系統薬剤の連用を避け、薬剤感受性低下の恐れが少ない気門封鎖剤や異なる系統の薬剤によるローテーション散布を推奨している。
薬剤散布の際はハウスのミツバチ用出入口を塞ぎ、薬剤が巣箱にかからないように注意し、散布後はハウス内の換気を十分行いミツバチに影響の無いよう適切な管理を促している。
天敵を利用する場合は以下の点に留意して防除を行う。
(1)放飼時期はハウスに発生株が散見し始める頃(成虫密度0.1~3頭/葉 程度)。
(2)多発生時に処理を行うと効果が現れるまでに時間がかかり、被害が生じる恐れがあるため。天敵に影響が少ない薬剤で密度を下げてから使用する。
(3)ミヤコカブリダニは飢餓耐性が強いため、ビニール被覆後のハダニ類発生前の放飼に適している。
(4)カブリダニ類の活動最適気温は15~30℃。13℃以下では効果が低いので、ハウスの最低温度を13℃以上に設定する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































