東海以西を中心にトビイロウンカの多発生予想 農水省-発生予報3号2021年6月10日
農水省は6月10日、病害虫発生予報第3号を発表した。
向こう1か月の主要な病害虫の発生予察情報によると、水稲ではトビイロウンカの発生が近畿および四国で多くなると予想している。
各作物の詳細は以下の通り。
◎水稲
トビイロウンカ
東海以西を中心に多発生となった昨年と同様、今年も九州以外にも東海以西で昨年より早い時期からこの虫の誘殺を確認し、奈良県からは注意報が発表されている。今後の気象条件の推移によっては、昨年同様に発生が拡大することが懸念される。発生状況に応じた適期・適切な防除が重要。地域の発生状況を把握しながら、タイミングをとらえた適切な防除の実施を求めている。
イネミズゾウムシ
四国の一部の地域で多くなると予想。ほ場を注意深く観察し、都道府県の発表する発生予察情報を参考に、発生状況に応じた防除を実施する。
縞葉枯病
北関東、近畿及び四国の一部の地域で多くなると予想。この病は、ヒメトビウンカが縞葉枯病ウイルスを媒介することで発病する。そのため、防除対策として抵抗性品種の栽培やこの虫を対象とした薬剤防除を促している。
いもち病
北関東、北陸及び四国の一部の地域で多くなると予想され、今後降雨が続く場合には急激に発生するおそれがある。水田の観察を行い、この病の発生状況に応じて適期に防除を実施する。
◎麦類
うどんこ病
東海の一部の地域で発生が多いと予想。この病は、前年のり病残渣が伝染源となるため、昨年の発生が多かったほ場では特に注意する必要がある。
◎野菜・花き
アザミウマ類
キュウリでの発生が、南関東び四国の一部の地域で、ネギでの発生が北東北、南関東及び北陸の一部の地域で多くなると予想される。
この虫は作物を加害するほか、多くの病原ウイルス病を媒介する。発生密度が高くなってからの防除は困難となるため、ほ場の観察を行い、発生初期の防除を呼びかけている。
コナガ
アブラナ科全般で、北陸及び四国の一部の地域で多くなる予想。ほ場内の発生状況に注意しつつ、適期に防除を実施する。
◎果樹・茶
かんきつ
ハダニ類の発生が中国、四国及び南九州の一部の地域で、そうか病の発生が四国の一部の地域で多くなると予想される。そうか病の防除では、園内を注意深く観察し、り病した枝や葉が確認した場合は確実に除去する。
ナシ
黒星病の発生が、中国及び北九州の一部の地域で多くなると予想。昨年の発生量が多かった地域では、伝染源が多くなると予想され、特に注意が必要としている。
ブドウ
ベと病の発生が、近畿の一部の地域で多くなると予想され、この病は降雨が続くと多発する傾向があるため、梅雨時期に入りこの病の発生に好適な条件となることから、発生状況に注意を促している。
モモ
せん孔細菌病の発生が東海、近畿及び四国の一部の地域で多くなると予想。この病は、春期に枝に形成される春型枝病斑(スプリングキャンカー)が伝染源となり、降雨や風で発生が助長される。園内を注意深く観察し、発病枝を確認次第、確実に除去する。
〈果樹共通〉
果樹カメムシ類
四国の一部の地域で発生が多くなると予想される。この虫の飛来状況は地域や園地により異なるため、園内を注意深く観察する。飛来が認められた場合は、飛来初期からの防除を促している。
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