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農政:動き始めたバイオスティミュラント

【動き始めたバイオスティミュラント】正しい情報、ラボ・ほ場両方の効果の検証が不可欠 Eco-LABに聞く(1)2025年6月11日

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バイオスティミュラント(BS)に対する注目は世界的に高まっている。しかし、日本ではその定義や表記、効果の検証、正しい使用方法などの理解や普及が遅れていた。農水省は「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」(GL)を5月30日に公表したが、今年4月に一足早く自主規格を策定したのがEco-LAB(エコラボ。正式名称:バイオスティミュラント活用による脱炭素地域づくり協議会)だ。

Eco-LABの組織図Eco-LABの組織図

Eco-LABは、サイエンステクノロジーなどで全国150地域のJAを総合的に支援しているAGRI SMILE(東京、中道貴也代表取締役)が、各地のJAとともに23年に設立した。バイオスティミュラント分野は2021年に研究所を設立し、京都大学、東京大学とも連携して元素や遺伝子レベルの解析可能な研究体制を整えている。2022年には国内初となる食品残渣型BSの開発に成功。2023年にはBS評価指標の特許を登録し、24年からは全国のJAと連携してBSの検証を開始し、4月に日本初となる「BS資材の適正利用に関する自主規格」を公表した。そこで、研究開発の事業化および技術戦略を管轄する大堂由紀子AGRI SMILE執行役員に日本でのBSの現状や課題、自主規格の狙いなどを聞いた。

科学的根拠のある製品のみを使用したい

ー世界と日本のBSの状況は。

地球温暖化による栽培課題の解決策として期待され、特に欧米では普及が拡大しています。2012年に世界で初めて、欧州委員会が政府関連文書としてBSの基礎となる定義を発表し、2022年にはEUで法制化されました。米国も法定文言として定義を終えています。欧米ではBSの活用が一般的となり、農薬、肥料と並ぶ第三の軸として定着しています。

実際の効果も現れ、世界のBS使用量のうちEUが36%、北米は25%、南米も11%を占めています。一方、日本はまだ1.5%にとどまっていますが、成長率は14%と高い。今後の市場拡大が期待され、2022年の「みどりの食料システム戦略」に記載されたことを機に急速な展開に入っています。

ー日本での課題や問題は。

BSに関する誤った情報が多く流通し、JA様からも「効果が出ない」「BSではないものが販売されている」といった声が上がっていました。JA様は科学的根拠のある製品のみを使用したいと考えていますが、成分だけで効果を謳う製品も多く、実際の効果に対する評価が不足しています。

植物体内の反応がBSの効果を裏付けるものであり、ホルモンや遺伝子の解析などによっても検証可能ですが、これらの評価方法が国としては標準化されていません。そのため、農業生産者が目的にあった適切な資材を選択しづらい。使用しても本来想定される効果が十分に発揮されず、農作物の生育や品質・収量が改善せず、投資対効果がみられない事例が発生しています。

日本でもBSの正しい効果の測定方法の確立と標準化が求められ、農水省の意見交換会で今年2月にGL案が示され、Eco-LABも意見交換会に参加しました。GLはメーカー向けであり、法規制ではありませんが、BS資材の開発・評価にあたり、GLに沿って留意点を守ることが求められています。GL案の発表後、メーカーの営業活動が活発化していますが、まだ何も変わっていません。Eco-LABは、GLに準拠した「バイオスティミュラント資材の適正利用に関する基準(自主規格)」を公表しており、JA様の現場で資材の基準として使用されています。JA様がメーカーに、資材の基準を示すことで問題の発生を防ぐことを目指しています。

植物体内の反応がなければBSではない

BSの仕組みBSの仕組み

―実際の効果とその検証は。

利用者にとって、BSは使い方次第でメリットが大きい。しかし、肥料成分を加えるとBSの効果が出ない場合もあり、自主規格では、肥料成分を除いて確認することを求めています。重要なことは、ストレスに対して植物自体の反応が起きるかどうかで、反応がなければBSではありません。効果を検証するには根拠データがあって初めて定量的な評価が可能になります。植物の生理的な反応があれば、例えばAGRI SMILEの栄養対策BSの場合、化学肥料を減らすことでコストが下がり、作物の総収量は10~35%増加し、利益が10%程度増えるという結果が出ています。

農薬は植物生理に直接働きかけますが、BSは刺激を与えるだけで、あくまで植物側の生理作用に依存します。ストレスを受ける前の効果は濃度次第です。濃度が低い方が効果が高かったり、効果を示す濃度範囲が狭いものもある。これらは環境が制御された実験室試験で判断できます。肥料は多いほど効果が上がりますが、BSは量を増やすと効果が出ないこともある。こうした、効果を示す外部ストレスの種類や使用時期などに関する正しい情報が生産者に伝わっていないケースもあります。

また、BSは原料に熱や圧力、溶解などの複合加工を施して作られます。特定の原料が含まれているからBSなのではなく、同じ原料でもBSにならないものや、原料を組み合わせても良い製品になるとは限りません。例えば、肥料成分である窒素を加えると効果が失われるBSもあります。成分ではなく、実際に製品を分析・調査しなければ効果は判断できない。これも世界的な共通認識ですが、日本ではまだ十分に認知されていません。

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