農政:農業協同組合研究会 第28回研究会
所得増へ資金面で応援【後藤彰三・農林中央金庫代表理事専務】2018年12月26日
平成29年のJAバンク(JA・信連・金庫)における農業融資新規実行額は全国で3886億円となり、前年比約13%と、前年度に引き続き伸長した。このうち農業法人との取引は7246社で、前年度より700社近く増えている。特に29年度は大規模農業法人に対する資金対応、農機具販売店への新たなチャネルへのアプローチなどで新規実行額が伸びた。
JAバンク自己改革では、(1)全国連が連携した「農業所得増大・地域活性化応援プログラム」の運営、(2)JAが営農経済事業に全力投球できる環境整備、(3)農業と地域・利用者をつなぐ金融サービスの提供・地域貢献の3つを柱に展開。特に第1の柱では応援プログラムで26年度から5年間を集中期間と位置付け、農水省の「農林水産業・地域の活力創造プラン」に連動するかたちで1000億円規模の事業を構築。食市場獲得、農産物の付加価値向上、担い手の規模拡大等効率化、地域活性化などを応援する。
また、このプログラムの運営では全農・全共連・農林中金を中心とする事業連が、それぞれの事業を通じて、担い手の生産拡大・生産コスト削減に直接寄与する施策や、地域活性化に資する施策を展開する。
特に付加価値向上の応援では6次化ファンドに関し、系統共同出資で、ファンドを運営する農林水産業協同投資(株)に29億円を拠出、担い手応援では、全農などとの連携で農機具のリース事業(アグリシードリース)を展開し、農機具購入等の購入額639億円のうち約40%を助成している。
◇ ◇
JAバンクは2019年度から21年度にかけての中期戦略を検討しているが、戦略策定にあたり、「組合員・利用者目線による事業対応の徹底」、「農業・地域に貢献する存在であり続ける」ことを、めざすべき姿とした。そのための実践事項として、(1)農業・地域の成長戦略、(2)貸し出しの強化、(3)ライフプランサポートの実践、(4)組合員・利用者接点の再構築、(5)JA・県域一帯の変革実践に取り組む。
特にライフプランサポートでは組合員・利用者本位の業務運営として資産形成・資産運用提案とともに、今回初めて共済事業との連携を打ち出した。さらに調達・運用構造改革として、貯金単品の獲得を目的とした「集める」取り組みはやめて、貯金が「集まる」仕組みへの転換を図りつつ、利用者基盤を維持する。
(関連記事)
・第7回 JA活力ある職場づくり全国研究発表会(2)(18.12.26)
・JAバンクを取り巻く環境と次期中期戦略 【後藤彰三・農林中央金庫代表理事専務】(18.12.14)
・地域・准組とともに"食料農協"目指す 【宗 欣孝・JA福岡市代表理事専務】(18.12.14)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】野菜・花き・豆類にハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2024年10月4日
-
【注意報】野菜類・花き類・ダイズにオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 三重県2024年10月4日
-
【注意報】野菜類、花き類、大豆にチョウ目害虫 県内全域で多発のおそれ 熊本県2024年10月4日
-
【注意報】野菜にヨトウ類 県中西部で多発のおそれ 鳥取県2024年10月4日
-
雇用就農の労働環境改善で検討会 農水省2024年10月4日
-
食料の安定供給 「食料自給力の向上」が基本 小里農相2024年10月4日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」福島県会津若松市で14日に開催2024年10月4日
-
(404)米国の農場数からの雑感【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年10月4日
-
国消国産 知って味わう 秋の収穫祭 10月19日開催 全中2024年10月4日
-
「夢ある'農業女子'応援 Project in 九州(熊本)」~農業女子×ISEKI~ 井関農機2024年10月4日
-
全国有数の果物産地「和歌山 秋の味覚フェア」9日から開催 JA全農2024年10月4日
-
【今川直人・農協の核心】法改正・5年後見直しで沈静化された「准組合員問題」2024年10月4日
-
「まるは」の柿をどっさり JA佐渡と連携「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2024年10月4日
-
鮮やかな緑と香り「京都府産宇治抹茶フェア」11日から開催 JA全農2024年10月4日
-
北海道・東川町へ4000万円の企業版ふるさと納税 コープさっぽろ2024年10月4日
-
「超ハッピーターン」東京おかしランド「カメダセイカ」限定で新登場2024年10月4日
-
【役員人事】JA全農くみあい飼料株式会社(10月1日付)2024年10月4日
-
甘くておいしい秋の味覚「北摂栗」収穫開始 兵庫県川西市2024年10月4日
-
農林水産祭 天皇杯など受賞者決定 農水省2024年10月4日
-
農研機構「乳酸菌データベース」を公開 利用者と乳酸菌のマッチングで発酵産業を支援2024年10月4日