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農政:許すな命の格差 築こう協同社会

【特集:許すな命の格差 築こう協同社会】都市農業 新たな地平へ JAはだの(神奈川)宮永均組合長に聞く(下)2021年9月29日

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JAはだの 宮永均組合長JAはだの 宮永均組合長

農業サポーターの輪 広げ 地域内協同学び実践へ

――パルシステム生協神奈川との現段階での進捗(しんちょく)状況は。

包括協定実現に向けて五つのプロジェクトを立ち上げた(「農業振興」「農産物販売」「経済・流通」「経済・交流」「食・生活・女性」)。しかし、協定締結からまもなくコロナの感染拡大で、予定通りには進まないものもあるが、現段階での活動では、パルの広報誌で「はだの農業満喫クラブ」への参加募集やパル組合員の体験農業への参加、JA女性部とパル女性グループによる各種コラボ企画などを実施している。

事業面では、管内の津久井在来大豆しょうゆの販売と、生産者が取り組み始めた青パパイアの販売も予定しており、パル食材への秦野産利用も要請しています。さらに、市の高齢介護課との連携で、独居老人や買い物難民対策の一つとして宅配事業を活用した弁当や食材の宅配が進行中です。また、SDGsに関する学習会や取り組みの交流も積極的に行っています。

今後は交流・学習を通して徐々に新たな取り組みが誕生してくると思うし、それらが実現してくると販売事業などにプラスになるのでは考えています。

ちなみに、共同購入から移行した宅配の事業高は1500万円から6000万円超となり、配達コストゼロとパルからの手数料(1%)で、損益的にはプラスとなっています。

――提携の今後の展望と課題は。

事業面ではまだ弱いが、パルの組合員は「食の安全」への関心も高いので、食農教育や食の安全に関する学習活動を一緒にやっていければと思う。また、子育て世代が多いので、JAの子ども関連の活動などへの参加や交流などを通してパルの組合員にもJAの組合員になってもらい(共通組合員)、協同して地域づくりの取り組みができれば輪を広げていけるのではないか。そこには女性の力が非常に大きいと思う。

そのためにも人材発掘が必要で、多彩なキャリアや能力をもつ女性部員に組織活動のマネジメント等を含め活躍する場を提供していきたい。また、蓄積した力を生かし、今までのグループ活動に農産加工や手工芸品づくりなどをプラスした販売グループなどにつなげてほしい。

――最後に、JAはだのは、都市的JAとして次々と新たな挑戦されてきたが、さらなるステージへと向かう今、5月に再任された組合長に今後の抱負をお伺いします。

まずは今までやってきたことを継承しながら、これをさらにバージョンアップしていければ、かなり先が見えるかなと思っています。具体的には、地域農業の活性化で、地域農業の振興を第一に考え、同時に地域社会の活性化のために貢献するということ。この二つにしっかり取り組んでいきたい。

それには組合員間の協同や助け合いが大事だし、地域内協同も大事で、そのための役割を組合員にも担っていただき、役職員もしっかりと役割発揮していければと思う。

そのためにも職員は組合員としっかり向き合うことを一番念頭に置き、大変ですが訪問活動も続けています。これは担当部門だけではなく、協同組合人であることに力点を置き、広く組合員との対話によって学んでもらいたいとの思いからで、これが協同組合の学びになる。

さらに、広くいろいろ人々(地域のさまざまなグループ・組織、協同組合の職員等)と関わり成長していってほしいと思っています。

もちろんJA内部では昇格、昇進の一定のルールもあり、それも頑張ってもらわなければいけないが、人間性教育が非常に大事だと思う。組合員教育事業も長い間やってきたが、教えることは学ぶことだと思うので、場合によっては職員が講師を務め、組合員と職員が一緒に学ぶことも大切なので、積極的に手を挙げてほしいと願っています。

同時に、1市1JAなので、行政との連携もさらにしっかりやっていけるようにしたいと思います。

【取材を終えて】
早くから行政とともに地域農業振興と地域との共生に取り組んできたJAはだの。そして今、地域生協との協同がスタートした。こうした新たなチャレンジを続けるJAはだので特質すべきは組合員教育事業で、組合員(含准組合員)対象の協同組合講座を実施し、1982年には組合員教育特別積立金」(目標3億6千万円)を開始している。毎月の「組合員訪問活動」も教育の一環と言えよう。協同組合の基本を手放さず、これを力に次なるJAはだのを見せて欲しい。

【JAはだの概要】
組合員数14,485人(正2,864人 准11,621人)
職員343人(嘱託・パート等含む)
販売取扱高18億円
購買供給高30億円(うち斡旋品取扱高14憶円)
貯金残高2,322億円
貸付金残高424億円
長期共済新契約高396億円
長期共済保有高4,232億円
利用事業3億円
(2021年2月現在)

【事業連携を通じた地域振興・地域貢献に関する包括協定書(抜粋)】
(趣旨)
第1条 本協定は、神奈川県協同組合連絡協議会の趣旨を踏まえ、甲と乙相互の緊密な連携により、事業を通じた地域振興、地域貢献に取り組むための基本的な事項を定める。

(連携事項)
第2条 甲と乙は前条の趣旨を尊重し、目的を達成するため、次の事項について連携し、協力する。
(1)食と農に関する学習活動に関すること
(2)組合員・役職員の交流による協同組合運動の実践および人材育成に関すること
(3)SDGs全17項目の目標達成に向けた取り組みに関すること
(4)組合員への生活関連物資等の供給に係る事業の相互利用促進に関すること
(5)秦野市産の農畜産物および農畜産加工品の流通促進に関すること
(6)相互の施設やインフラを活用した事業展開に関すること
(7)災害時における連携、協力に関すること
(8)その他目的の達成に必要な事項に関すること


都市農業 新たな地平へ JAはだの(神奈川)宮永均組合長に聞く(上)

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