2025年賀詞交歓会 クロップライフジャパン2025年1月8日
クロップライフジャパンは昨年農薬工業会から名称変更し、クロップライフジャパンとして初となる賀詞交歓会を1月7日、東京・大手町の経団連会館で行った。農林水産省、農薬メーカー、学識経験者など関係者約330人が集まった。

小澤敏 会長(三井化学クロップ&ライフソリューション特別顧問)
小澤敏会長(三井化学クロップ&ライフソリューション特別顧問)は冒頭の挨拶で次のように述べた。
「世界の作物保護市場は、2016年以降上昇を続けていたが、2024年は価格、在庫、為替要因により前年比約6%減となった。しかし、今後2028年まで年率1.7%で増加傾向にあると予想されている。日本国内の農薬年度の総出荷額は、一部製品の値上げにより前年比103.0%となった。毎年耕作地面積が減少するなかで、作物保護の重要性を反映したものと考えられる。昨年は暖冬の影響でカメムシ類の越冬虫が多く、早期から発生し、稲や果樹への被害をもたらした。
また、食料・農業・農村基本法が改正され、第41条に植物防疫が位置づけられたことで侵入病害虫や雑草、病害虫の薬剤抵抗性の発達などの問題もあり、植物検疫の強化とともに、作物保護の重要性がますます高まっている。近年、我が国においても食料安全保障への関心が高まり、国内農業生産拡大の重要性が高まってきている。政府は昨年6月に、改正食料・農業・農村基本法を施行し、「食料安全保障の確立」、「環境に配慮した持続可能な農業・食品産業への転換」、「スマート農業等による生産性の向上」等を進めることにしている。
そのような農業環境の変化も踏まえ、当会は昨年5月に日本と世界の食料安全保障、持続可能な農業への貢献、環境にやさしいイノベーションの推進、安全の先にある安心な食生活を楽しめる社会を目指し、新ビジョンを策定した。新ビジョンに沿って、作物保護に関連する産業界として、安全性と環境に配慮しつつ、農作業の省力化のための新規剤、スマート農業や総合防除に利用できる有効な資材やソリューションの提供に努めていきたい。」と述べた。
また、新ビジョンの策定とともにグローバルな潮流も踏まえ、名称をクロップライフジャパンに変更したことに触れ、「「クロップ」は作物や食料生産を意味し、「ライフ」は英語圏で「持続性」を意味し、クロップライフには持続可能な農業と食料供給を目指す団体という意味が込められている。当会は作物保護を通して食と農業に貢献することを目的として、世界規模で活動するクロップライフインターナショナルに加盟している。」と述べた。
続けて、クロップライフインターナショナルの歴史に触れ、「1960年代に農薬の安全性に関する社会的関心が高まり、農薬分野に関する国際的共通問題へ対応するため、1967年に欧州と米国の農薬工業連盟は、GIFAP(世界農薬工業連盟)を設立した。日本の農薬工業会は、1969年にGIFAPに加盟し、その後GIFAPは1996年にGCPF(世界作物保護連盟)に改名、2001年には作物保護と植物バイオテクノロジーの分野からなるクロップライフインターナショナルに組織改編を行った。当会は、作物保護分野への参加を継続し、国際的な情報交換を行っている。クロップライフインターナショナルは、当会も含めて世界の地域協会と協力しながら、主要な農業課題に対処する科学に基づくソリューションの開発など、持続可能な農業の発展に取り組んでいる。」と述べた。
また、同会の活動について、「農薬の安全性と、作物の安定生産に果たす農薬の役割を、多くの方々に知っていただくことが重要課題であると考えている。このため、昨年は、学研の小学生向け学習漫画「作物をまもるひみつ~農薬の役割がわかる~」の作成へ協力し、全国の小学校や図書館に2万5千部寄贈されている。さらに、クイズ王伊沢氏が率いるQuizKnockとコラボしたYouTube動画「食の未来を考える」も配信している。こうした取組を通じて、若い世代や知識探求層といわれる方々に作物保護の重要性や農薬の役割への理解が広がることを期待している。」と今後の方向性を述べた。

安岡澄人 農林水産省消費・安全局長
続いて農林水産省消費・安全局の安岡澄人局長が来賓代表として挨拶、乾杯の発声は岩田浩幸副会長(日本農薬代表取締役社長)、中締めは的場稔副会長(シンジェンタジャパン取締役会長)がそれぞれ務め、盛会のうちに終了となった。

岩田浩幸 副会長(日本農薬代表取締役社長)

的場稔 副会長(シンジェンタジャパン取締役会長)
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