農薬:年頭あいさつ2018
宇野 彰一 氏(全国農薬協同組合 理事長)2018年1月2日
処方箋のかける人材育成に全力
皆さま方におかれましては、つつがなく新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。年頭にあたり謹んでご挨拶させていただきます。
昨年は局地的な集中豪雨、長雨、台風などの異常気象により、各地の農作物に大きな影響がありました。生産者の方々も大変ご苦労が多かったことと察しますが、今日の日本の農業はまったく予断を許さない状況に置かれているように感じています。
昨年8月施行の「農業競争力強化支援法」におきましては「良質かつ低廉な農業生産資材の供給」「農産物等の流通合理化」を掲げ、日本農業の競争力強化を図るために諸施策を講ずるとありますが、我々全国農薬協同組合(全農薬)は、全国の組合員を通じ、生産者の皆さまに正確かつ迅速に生産資材の情報をお届けできるように尽力しているところです。
全農薬では組合員の農業、農薬の知識を深め、農産物の生産現場を見て、処方箋のかける組合員の育成に取り組んでいます。具体的には、日本植物防疫協会主催の研修会に参加し、試験に合格した組合員を「農薬安全コンサルタント」として認定、さらにその中から高度な研修会を経て、試験に合格した人員を「農薬安全コンサルタント・リーダー」としています。
昨年よりコンサルタント・リーダーは農水省の事業である「農産物輸出支援サポート事業」の受託機関である全国植物検疫協会と連携し、病害虫防除の専門員として同事業の体制に協力しています。
また、農薬の再評価制度については、国際基準対応として今後の進展を見守るしかありませんが、現在使用されている農薬の登録失効により、産地での緻密な作物栽培、病害虫防除に支障をきたすことがないよう強く望むところです。
最後になりますが、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、国際基準での農産物の生産が求められています。全農薬では引き続き、安全・安心な農産物の生産に寄与できるよう組合員の技術力を高め、生産者の皆さまのお力となれるように本年も取り組んでいく所存ですので、関係機関の皆さま方の益々のご理解、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
本年が皆さま方にとりまして、素晴らしい一年となりますことを心より祈念いたします。
(関連記事)
・第52回通常総会・安全協第40回全国集会開催 全農薬・安全協(17.11.16)
・「農作物・生産者・環境」の安全守る 農薬危害防止運動(17.05.31)
・適切な診断ができる人材を育成【宇野彰一・全国農薬協同組合理事長】(17.08.09)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日