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青果流通でスマート農業活用 農業ITと大手青果卸が業務提携2020年5月27日

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農業ITサービス「みどりクラウド」を提供するセラク(東京都新宿区)は5月26日、青果卸のR&Cホールディングス(長野県長野市)と、スマート農業によって収集されたデータを青果流通領域で活用するプラットフォームの構築をめざす業務提携で合意したと発表した。

スマート農業を用いた農業経営モデルスマート農業を用いた農業経営モデル

「みどりクラウド」は、全国2000か所以上で導入されている農業ITサービス。みどりクラウドで、収集したデータは、収量拡大や損失の回避など各生産者が生産性を高めるために利用されている。このデータは、収量予測・作況予測、需給マッチングなどの青果流通にも有益な情報として活用できることから、同社は今後の成長領域としてデータを流通させることで食農バリューチェーンをデジタル化する、食農データ流通プラットフォーム「みどりマーケット」の構築に取り組んでいる。

一方、R&Cホールディングスは、長野県連合青果、長印など長野県を中心とした青果卸6社や、青果加工を行うフレッシュベジ加工、物流のR&C物流などで構成される青果卸。6月に施行される市場法改正や、食品等事業者におけるHACCP対応の義務化などに伴う環境の変化の中で、生産者との連携強化や安定的な青果調達ルートの確保に取り組んでいる。

今回の業務提携は、セラクのスマート農業の技術と、R&Cホールディングスの青果流通のノウハウと実績を組み合わせることで、次世代の農業経営モデルを構築し、スマート農業による青果流通の最適化をめざす。

提携により両社は、「スマート農業を用いた農業経営モデルの構築と普及」と「スマート農業による加工用青果流通の最適化」に取り組む。

みどりマーケットの仕組みみどりマーケットの仕組み

具体的には、スマート農業を活用した栽培技術や、みどりクラウドの実績データに基づく金融機関からの資金提供と、R&Cホールディングスの多様な販路の3つを組み合わせ、新規就農者にとって魅力的な農業経営モデルを構築する。

また、「スマート農業による加工用青果流通の最適化」において、青果加工を強化するためには、安定した量・品質・価格による調達が不可欠であることから、生産者との情報共有や生産物の情報を受け取る仕組みが必要となる。そこで、食農データ流通プラットフォーム「みどりマーケット」がこの仕組みを実現できることから、一般に先駆けてR&Cホールディングスにプラットフォームを提供し、加工用青果流通の最適化に取り組む。

こうした取り組みにより、R&Cホールディングスは、安定的な青果調達を実現するとともに、長野県内の金融機関や自治体への働きかけを行うことでモデルの普及・拡大を図る。また、セラクはモデルを導入する就農者に対するみどりクラウドの普及拡大を期待している。

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