木徳神糧が決算説明会 平山社長「生産者の再生産のためにできることを」2022年3月1日
木徳神糧は2月28日、令和3年12月期決算の説明会を開いた。コロナ禍で業務用向けの精米販売が減少する中でも売上高は対前年比でプラスを確保し、大幅増益となったが、令和4年12月期の業績予想は供給過剰による収益圧迫などで減益の見通しを示した。平山惇社長は米価の下落が続くことについて、「このまま続くと生産者が再生産できなくなることは明らかだ。そのために何ができるか全農などとも協力して考えたい」と強調した。
12月期決算と業績見通しについて述べる木徳神糧の平山惇社長
同社が公表した令和3年12月期決算短信によると、コロナ禍の長期化の影響で業務用向けの精米販売数量が減少したが、ミニマム・アクセス米の販売数量の大幅増加や飼料事業の伸びなどで、売上高は1078億1200万円となり、前年同期比で0.2%増えた。また、営業利益は、既存取引先への営業提案などで国産米取引の採算を改善したことや、精米工場の効率化を進めて製造コストを圧縮したことで5億2600万円(前年同期は4200万円の営業損失)に、経常利益は6億1400万円(前年同期比649.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億500万円(同707.3%増)と大幅増益となった。
主力の米穀事業に限ると、コロナ禍による巣ごもり事業で家庭用向けの販売は比較的堅調だったものの、飲食店の営業時間短縮や外出自粛などで業務用米の需要が大幅に減少したことなどから、売上高は917億9900万円(前年同期比0.6%減)で、前年を僅かに下回った。一方で営業利益は国産米取引の採算改善への取り組みなどで8億7400万円(同204.5%増)となった。
一方、今後の見通しについては、コロナ禍で不透明な状況が続くうえ、物流やエネルギーコストの上昇など厳しい経営環境が継続し、主食用米の供給過剰に伴う米穀販売単価の下落などで、令和4年12月期の業績見通しは、売上高は975億円、営業利益は4億8000万円と、3年12月期に比べて減収減益になるとの見方を示した。
平山社長は説明会の中で米価の下落基調に危機感を示し、「生産者の再生産のために何ができるか全農などと協力して考えたい」と述べた。また、今後の経営戦略として、仕入れルートの複線化など仕入れ構造改革やコスト削減による競争力強化や、海外市場では中国市場での販売強化などを進める方針を示した。また、厳しい見通しを示した令和4年12月期の業績については、「いい形でスタートダッシュできているので売り上げはさほど変わらなくても利益は前期並みの数字でいけると考えている」と述べた。
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