原発事故後10年間の森林土壌中 放射性セシウム動態を解明 森林総合研究所2022年11月25日
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所の研究グループは、福島第一原子力発電所の事故後、10年間調査を行い、森林土壌中の放射性セシウム(セシウム137)の分布や動きを解明。ほとんどの放射性セシウムが、時間の経過と共に鉱質土層の表層に移動し、現在ではほぼ動かなくなっており、この成果は今後の被災地の森林管理や放射性セシウムの長期動態予測に役立つ。
森林土壌の断面の様子
同研究グループは、原発事故による汚染の程度や優占樹種の異なる10地点の森林を対象に、事故後10年間継続して落葉層・鉱質土層を調査。放射性セシウムの分布や動きを明らかにした。
その結果、10年間で落葉層における放射性セシウム蓄積量は減少し、深さ5センチ以内の鉱質土層表層に移動していることがわかった。また、現在では、鉱質土層表層の放射性セシウム蓄積量の増加は、ほとんどの調査地において止まり、ほぼ一定値になっていた。樹木による土壌からの放射性セシウムの吸収量と落葉などによる地表への放射性セシウムの移動量が釣り合ってきていることが推定された。
これほど多地点において長期的に行われた信頼性の高い調査は、世界的にも類を見ない貴重なもの。今回の成果は、今後の被災地の森林管理手法の検討や、森林内の放射性セシウムの動態や将来の林産物の濃度の予測に活用されることが期待される。
同成果は8月2日、『Journal of Environmental Radioactivity』誌にオンライン掲載された。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ブロッコリーの黒すす病にSDHI剤耐性菌が発生 北海道2025年12月25日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年12月25日 -
家庭での米消費、前年比11.7%減 マイナス幅拡大、「新米不振」裏付け 米穀機構11月調査2025年12月25日 -
米価高騰に対応、「4kgサイズの米袋」定番化 値ごろ感出し販売促進 アサヒパック2025年12月25日 -
協同組合の価値向上へ「鳥取県宣言」力強く2025年12月25日 -
【世界を診る・元外交官 東郷和彦氏】トランプ再来の嵐 自国利益に偏重2025年12月25日 -
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】なぜ日本は食料難の経験を教科書から消したのか?2025年12月25日 -
【Jミルク脱粉在庫対策】基金初発動1.2万トン削減 なお過剰重く2025年12月25日 -
すべての都道府県で前年超え 2024年の県別農業産出額 トップは北海道2025年12月25日 -
【農と杜の独り言】第7回 祭りがつなぐ協同の精神 農と暮らしの集大成 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年12月25日 -
国連 10年に一度「国際協同組合年」を決議2025年12月25日 -
秋田と山形の3JAが県越え連携協定2025年12月25日 -
日本産の米・米加工品の輸出促進策を議論 「GOHANプロジェクト」で事業者が意見交換 農水省2025年12月25日 -
26年産米の農家手取り「2万5000円めざす」 暴落の予兆に抗い再生産価格を確保 JA越前たけふ2025年12月25日 -
笹の実と竹の実【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第370回2025年12月25日 -
茨城県で鳥インフル 97万羽殺処分へ 国内10例目2025年12月25日 -
ホットミルクと除夜の鐘 築地本願寺でホットミルクお振舞い JA全農2025年12月25日 -
JA共済アプリ・Webマイページに「チャットボット」機能を導入 JA共済連2025年12月25日 -
5県9JAの農産物・加工品を販売 第46回マルシェ開催 JA共済連2025年12月25日 -
短期プライムレートを年2.125%に引き上げ 農林中金2025年12月25日


































