5月の卵価 上昇止まるも高止まり続く 需要和らぐ6月に「価格の落ち着き」期待も2023年5月31日
5月の卵の平均卸売価格は前年同月より約60%上昇し、平成以降の最高値を更新した4月から横ばいとなった。鳥インフルエンザ流行の影響で3か月連続で続いていた価格の上昇は止まったが、以前として高止まりの状態が続いている。流通関係者によると、発注に応えられない状況は続いているものの、6月からは卵の需要が和らぐとともに、鳥インフルの発生農場で少しずつ再開の動きも出始めていることから、「6月以降、価格は少し落ち着いてくるのではないか」とみている。
JA全農たまごによると、5月の東京の卵のM基準値(円/㎏)の平均卸売価格は350円となり、前月から横ばいで、前年同月の219円からは約60%上昇した。今年2月以降続いていた月別平均価格の上昇は止まったが、以前として平成以降の最高値が続いている。
鶏卵の卸関係者によると、全国的な鳥インフルエンザ流行による鶏の殺処分による供給不足は続き、発注に応えられない状況が続いていることから、鶏卵相場が下がりにくい状態となっているという。
一方で、これから鶏卵の需要が和らぐ夏場を迎えるとともに、昨年秋ごろに鳥インフルエンザが発生した農場では、防疫措置を終えて雛を導入して再開する動きも出始めているという。こうした状況を踏まえて「季節性の需要の和らぎに加えて小玉の卵から少しずつ出回り量が増えてくるとみられ、6月以降、価格は少しずつ落ち着いてくるのではないか」とみている。
ただ、3月から殻付き卵の輸入を始めたブラジルで5月22日、野鳥で鳥インフルエンザの感染が確認されたとして、全土に180日間の動物衛生上の緊急事態宣言が出され、今後、家きんで確認された場合は輸入禁止措置などで影響が出ることも懸念されるとして、「状況を注視している」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日