能登半島地震緊急支援募金 贈呈式を実施 パルシステム連合会2024年3月28日
パルシステム連合会は、1月に呼びかけた「令和6年能登半島地震緊急支援募金」の贈呈式を開催。募金は、のべ17万人あまりから約2億6000万円が寄せられ、現地で支援活動をする9団体と被災した生産者など7団体への見舞金、被災者への義援金として活用される。
難民を助ける会で行われた贈呈式(3月4日)
贈呈式での寄贈先団体の言葉は次の通り。
◎セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(3月26日)
訪問者:パルシステム茨城 栃木理事長・青木恭代氏
「ウェットティッシュやお絵描きセットなどで構成する「緊急子ども用キット」の配布や「こどもひろば」の開設、子どものための心理的応急処置を伝える講座開催などを行っています。避難所は、どうしても高齢者のケアが優先され、発達段階で異なる子どものための物資や支援が不足しがちです。子どもに対する心のケアも、支援者へノウハウを伝える必要を感じます。今後は、放課後児童クラブ再開に向けた専門スタッフの派遣や経済的に困窮する家庭への給付金なども予定します」
◎YNF(よか隊ネット福岡)(3月15日)
贈呈者:パルシステム東京理事長・松野玲子氏、パルシステム神奈川理事長・藤田順子氏、パルシステム千葉理事長・髙橋由美子氏、パルシステム山梨 長野理事長・古家滋子氏
「発災当初は珠洲市を拠点に、被災者の1.5次、2次避難所への移動手続きや説明など、自らも被災する自治体職員の補助をしました。2月以降は県の委託で自宅に残る世帯を戸別訪問し、被災状況などを聞き取っています。今後のくらしへ不安の声も多くあり、関連組織と協力し高齢者や障がい者への支援体制構築を進めています。過疎が進み社会資源も少ない地域のため、地元企業の廃業で仕事をなくした人が多くいます。断水の長期化や建造物の高い損壊率のなか、交通アクセスの悪さから復旧作業も進まず、珠洲市の消滅を危惧する人さえいます。復興までにはかなり長期的な支援が必要な状況です」
◎ピースウィンズ・ジャパン(3月15日)
訪問者:パルシステム東京理事長・松野玲子氏、パルシステム神奈川理事長・藤田順子氏、パルシステム千葉理事長・髙橋由美子氏、パルシステム山梨 長野理事長・古家滋子氏
「発災後24時間を待たずにヘリコプター3機で現地入りし、重症者搬送や医療スタッフ派遣、医療品の輸送をしました。船舶も活用し、七尾市から活動拠点の珠洲市に飲料水や食品などの支援物資も輸送しています。1月中旬以降は避難所における健康相談や栄養指導も実施し、避難所ごとのニーズに応じた物資支援を継続しています。ペット専門スタッフも派遣し、トリミングカーの運用や散歩など日中の預かりもしています。今後は仮設住宅入居者に家電なども提供していきます」
◎被災地NGO協働センター(3月14日)
訪問者:パルシステム東京理事長・松野玲子氏
「七尾市を拠点に物資支援をしています。車中やライフラインのない自宅で避難する人たちは、避難所などでの受け取りを遠慮しがちになり、物資が不足している状況です。SNSなどを活用し拠点に物資が届いた際に知らせています。高齢者など移動が困難な方には物資を届けながらバケツの足湯を提供し、被災者に無料開放している温泉などでも配付してもらっています。罹災証明の判定が実際より低く、自宅の再建か修理か選択しかねる人たちに再審査のアドバイスなどもしています。今後は不安解消の相談の場なども設けていきます」
◎国境なき医師団(3月12日)
訪問者:パルシステム埼玉理事長・樋口民子氏、パルシステム新潟ときめき理事長・瀬野悦子氏、パルシステム福島理事長・池端美雪氏
「輪島市を拠点に、被災者や行政職員の心のケアを目的に専門家を派遣しています。不眠不休で被災者支援をしている職員のみなさんは、自らも被災しながら助けを求められずにいます。「被災地では笑ってはいけない」との雰囲気もありましたが、避難所でストレッチや脳トレのイベントを開催すると「みんなでワイワイと笑い合うのは震災後初めて」との声も上がりました。皆さんが将来に不安を抱えるなか、長期的な心理ケアが必要になるので、10年、20年単位で支援に関わっていきます」
◎ピースボート災害支援センター(3月12日)
訪問者:パルシステム埼玉理事長・樋口民子氏、パルシステム福島理事長・池端美雪氏、パルシステム新潟ときめき理事長・瀬野悦子氏
「発災翌日に支援物資を調達して七尾市に入りましたが、道路や通信網の遮断により多くの孤立地域が発生しました。数少ない避難所はすぐ満員になり、ビニールハウスなどでの自主避難者に物資を届けました。仮設住宅の建設も進んでいますが、高齢者などは居住が長期化する可能性も高いです。今後は地域内の支え合いの環境づくりが重要となるので、コミュニティスペースで使用する机や椅子などの備品なども寄贈する予定です。ライフライン復旧に伴い在宅避難者も増えているため、健康相談や物資提供など継続的に支援していきます」。
◎AMDA(3月11日)
訪問者:パルシステム埼玉理事長・樋口民子氏
「もともと高齢化が進み医療過疎に陥っていた輪島市で、医療チーム派遣による診療や衛生管理の徹底、医療機器などの物資支援を1月8日から継続してきました。避難所では断水により十分な手洗いができず、水洗トイレも使用できない状況が続き、インフルエンザやコロナなどの感染症がまん延しています。医療機関も徐々に再開してきたため、地元行政と連携しながら住民の多様なニーズを把握し、支援を継続していきます」
◎難民を助ける会(3月4日)
訪問者:パルシステム千葉理事長・髙橋由美子氏、パルシステム山梨 長野理事長・古家滋子氏、パルシステム群馬理事長・反町幸代氏、パルシステム静岡副理事長・細谷里子氏
「奥能登では入浴も困難なため、トラックを改造した風呂を1日10人程度に利用してもらっています。障害などで集団の入浴が難しい人の家族にも喜ばれています。断水が長期化し、炊き出しのニーズが高く食料や介護用品、携帯トイレなどの物資配付も継続しています。支援が届きにくい在留外国人への自国の食料提供なども行い、継続的な支援による今後の交流にもつなげたいと思います」
◎ADRA Japan(3月4日)
訪問者:パルシステム千葉理事長・髙橋由美子氏、パルシステム山梨 長野理事長・古家滋子氏、パルシステム群馬理事長・反町幸代氏、パルシステム静岡副理事長・細谷里子氏
「バスを活用した移動カフェや足湯なども提供し、被災者の話を傾聴する場も設けています。珠洲市や輪島市は、まだ支援初期の段階で炊き出しの優先順位が高い状態です。今後も過去の災害時の知見を活かし、行政やさまざまな団体と連携して生活再建に向けた支援を継続します」
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