物価高騰によるくらしへの対応は?「全国生協組合員意識調査」日本生協連2024年11月21日
日本生活協同組合連合会は11月20日、「2024年度 全国生協組合員意識調査」の報告書概要版を発表した。物価高騰によるくらしへの対応は、年代によって傾向が異なり、若年層はお得に購入することを、中・高齢層は購入する商品の量自体を減らしていることが判明した。
同調査によると、物価高騰による生活対応としては、「食品や日用品をより安いところで買うようになった」が全年代で上位となる結果に。「特に生活の変化はない」と回答した割合は6.2%と極めて少ない。
年代別に比較すると、20代以下・30代の若年層では「購入する食品や日用品のグレードを落とした」「大容量などお得な商品を買うようになった」の回答率が高く、購入する量を減らすのではなく、グレードを落とすことや、お得に購入することを考える傾向が読み取れる。一方、50~80代以上の中・高齢層では、「食品や日用品を購入する量が減った」「水道光熱費を節約するようになった」と、購入する商品の量自体を減らす方法で節約に対応していることがわかった。
物価高騰の影響による生活の変化
物価高騰に関しては、「人件費や原材料費の高騰に伴う多少の値上げは仕方ない」という設問に対し、「そう思う」(26.2%)、「まあそう思う」(58.4%)と8割を超える結果に。「量を減らしても値上げしないでほしい」という設問について、年代別に比較すると、年代が上がるほど「そう思う」「まあそう思う」と回答する割合が高い傾向があり、年代によって差が見られた。20代以下から40代までは「そう思わない」「まあそう思わない」などの回答が多いのに対し、50代以上では肯定的な回答が多かった。
近年の物価高騰に対する考え方
食品購入における意識について尋ねた設問では、生協組合員の国産志向・健康志向・手作り志向がうかがえる結果に。食品購入における意識について尋ねると、「国産の食品をなるべく選ぶ」(74.0%)、「健康を意識した食品を選ぶ」(52.7%)、「なるべく生鮮素材を購入して手作りしている」(50.1%)という回答率が高い結果となった。
年代別では、「とにかく価格が安い商品を優先して選ぶ」という意識は若年層で回答率が高い。その他の意識している項目は高齢層ほど、回答率が高い傾向が読み取れる。
食品購入における意識
また、インターネットの利用状況について聞いたところ、インターネット利用時の使用機器・端末は、インターネット接続が可能な「テレビ」の使用率が前回実施時(2021年度)8.9%から17.9%に増加。「スマートフォン」においても、75.9%から82.0%に増加した一方で、「パソコン」「タブレット」「家庭用ゲーム機」については使用率が減少した。
65歳以上の高齢層に絞って経年比較すると、「スマートフォン」の使用率は52.6%から64.2%と伸長する結果となり、「スマートフォン」を介したインターネット利用は高齢層でも一般的になっていることが分かった。
インターネットを利用する際に使用する機器・端末
さらに、関心のある社会問題について尋ねると、「年金問題」が70.2%で最も多い。次いで「高齢者介護」「震災などの自然災害」「気候変動」が6割を超える回答率となった。
多くの設問項目において、高齢層ほど回答率が高い傾向となったが、若年層は「出産・子育てしにくい環境・社会」「子どもの貧困や教育格差・ヤングケアラーの問題」など子どもに関連した社会問題や、「経済的格差の拡大」の回答率が高い結果となった。
関心のある社会問題
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