戦後80年 世代超えて自分ごとに 核兵器廃絶を考えるイベント開催 パルシステム神奈川2025年5月23日
生活協同組合パルシステム神奈川は5月18日、平和の意味や核兵器廃絶を考えるイベント「『戦争を知りジブンゴトにしてみよう』交流会」を新横浜本部で開催。神奈川県高校生平和大使など6人の学生も参加し、核兵器廃絶を呼びかける若者や被爆体験者とともに約40人が、核のない平和な世界の実現のため、一人ひとりができることを考えた。
同イベントには、会場に7人とオンラインで22人が参加。80年前の戦争を体験していない2000年生まれの高橋悠太さんと中村涼香さん、1歳10か月で被爆した和田征子さんが登壇した。
冒頭のアイスブレイクとして、核兵器のない世界を目指して情報を発信する(一社)かたわら(横浜市西区)の高橋代表理事が、参加者に「幸せを感じる時」を問いかけ言葉にしてもらった。
グラフィックレコードでまとめた参加者が感じる幸せな時
「ぐっすり眠れた時。不安や心配事が無い平和の証」「家に帰った時。帰って安心できる場所があることは、戦時下では保証されない」「ラーメンの替え玉が無料だった時。お腹いっぱいになるまで食べられないこともある」などの言葉が寄せられ、普段の幸せは平和な社会があってこそだと確認し合った。
日本原水爆被害者団体協議会のの和田事務局次長は、長崎での原爆投下の被害を受けた母親の体験を国内外で証言しており、伝え聞いたことを実直に語り継ぐなか、核兵器があってはならないとの思いが強まってきていると語った。
平和な世界づくりを目指してジェンダーや環境などの問題を提起するNPO法人ボーダレスファウンデーションの中村理事は、長崎の高校生時代から、10年にわたり核兵器廃絶や平和を考えるイベント開催や政策提言活動を実施。同世代で活動する人たちとの出会いが少ないなか、東京に進学して開催したイベントには、100人以上の若者が参加してくれた。同世代の関心が低いのではなく、意思表明をできる場がないことに気が付いたという。
かたわらは、広島の中学校で平和活動を始めた高橋さんが、進学した東京で被爆者や市民とつながり立ち上げた団体。SDGsの新たな目標として核兵器廃絶を掲げることなど、市民の声を政治に届けるため「核廃絶ネゴシエーター(交渉人)」として活動している。また、戦争や被爆の現実を知るには、あらゆる世代への教育の力が重要であるとして、戦後の世界を自分ごととして想像するワークショップなども開発している。
パルシステム神奈川の平和活動を担当する楊直子常任理事は、自分たちが被爆者の話を聞ける最後の世代であることを訴える。若い世代の人たちのアイデアを借りながら、生協として子どもたちをはじめ利用者とともに多様なイベントを開催す。26万筆の署名とともに藤沢市議会に提出した、核兵器禁止条約批准の陳情書の採択など、生協利用者の力の集結による平和への一歩の事例も紹介した。
核兵器がなければ平和になるのか
それぞれの平和活動を紹介する登壇者
登壇者は「核兵器がなくなったら世界は平和になるのか」をテーマに意見を交わた。和田さんは、核廃絶には被爆者の体験を言葉で伝え、人の心を変えていく必要があるとして、一人ひとりの良心を開発し、人類として世界の良きことのために話し合う努力が必要と語った。また、中村さんは、「核兵器は決して使用してはならないことは明確」とと言い、人権や人の命の尊厳が尊重されればなくす選択はできるはずで、その時こそが平和なのではないかと訴えた。
会場の神奈川新聞社の高校生記者は「人間が人間を殺すためだけに開発した核兵器はこの世に存在してはいけないと強く思いますが、なくなれば戦争のハードルが下がると考えたこともあった。なくす選択ができる時こそが平和という大きな気付きになりました」と登壇者たちの言葉を受け止めた。また、交流会に参加した高校生たちも、現実として受け止め切れていなかった広島や沖縄の戦争の展示を自分のこととして想像し、考えを共有していくことの大切さを感じていた。
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