有機性汚水処理に最新ろ過システム 農研機構2013年11月12日
農研機構東北農業研究センターは、酪農雑排水だけでなく、より汚濁成分濃度の高い養豚場の尿液やでんぷん工場廃液など、有機性汚水を通年で浄化するハイブリッド伏流式人工湿地ろ過システムを開発した。従来の方法より省スペースで、かつ低コストで設置できる。
北海道大学や民間会社との共同開発。高濃度の有機性汚水を好気的・嫌気的ろ過方式を組み合わせて浄化する多段式のシステムだ。
安全バイパス構造や軽量浮遊資材の表面敷設などで、ろ床の目詰まりや冬季の凍結を回避しながら、ヨシやミミズ、微生物などからなる生態系をつくりながら、竣工直後から浄化できる。
同じ処理能力を持つ、従来の小面積でできる機械的処理法に比べ、初期費用は3分の2程度で、電気料などの運転費用は20分の1で済む。現在、国内やベトナムなど14カ所で運用されている。
なお、ハイブリッド伏流式人工湿地ろ過システムとは、上から下へ垂直方向にろ過する垂直流と、浅い地下水として水平方向にろ過する水平流があり、この二つを組み合わせた方法。窒素を浄化する能力に優れ、冬季も能力が持続する。
また、伏流式人工湿地とは田んぼのような湛水した浅い池を使う。伏流式とは砂利や砂の層を通してろ過する方式をいう。

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