品種改良を加速化 ダイズに突然変異起こす新技術開発 生物研ほか2016年3月9日
農業生物資源研究所(生物研)は佐賀大学と共同で、ダイズに効率よく突然変異を起こす技術を開発し、様々な突然変異を含む変異集団を作出した。これにより、これまで以上に早く実が登熟する系統など新しい性質をもつダイズ品種の開発が可能になることを3月1日に公表した。
一般的に使われている「突然変異育種法」は、放射線照射や化学物質処理により遺伝子に変化を起こす方法で、これまでになかった新しい性質が現れるなど、研究開発のため利用されている手段の一つ。しかし、イネの2倍以上の遺伝情報をもつダイズでは、この方法を使っても新しい性質に変化したものを得ることがなかなかできなかった。
今回開発された技術では、DNAに変異を引き起こす作用を持つ化学物質EMSをダイズに2世代続けて処理することで、高頻度に突然変異を起こすことが可能となった。
国産優良品種「エンレイ」の種子に同技術でEMSを処理したところ1536種類の突然変異系統を作出した。
この作出した系統の中には、これまで以上に早く実が登熟する系統やダイズのタンパク質や糖の栄養素の含量がそれぞれ高くなった系統など、従来の方法では得ることが難しかった系統が見つかった。
これにより、今後ダイズの有用遺伝子の機能解明が進み、品種開発の加速化が可能となった。
今回見つかった早く登熟出来る系統については、不要な突然変異を除き、品種化する研究が進んでいる。
作出した突然変異系統と保管したDNAは、研究担当者に申し込むことで共同研究できる。
(写真)同時に植えたエンレイ:左は最も早く種子を実らせた突然変異系統、右は突然変異処理前のもの
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