市民農園に多大な健康効果-アグリメディアと東大が共同調査2020年5月27日
農業体験・人材紹介サービスや産直野菜を使った飲食事業などを手がける(株)アグリメディアは、サポート付き市民農園「シェア畑」の利用による健康効果について、東京大学大学院農学生命科学研究科の曽我昌史准教授らと共同調査を実施した。それによると、シェア畑利用者と非利用者は精神面の健康レベルに2.3倍の違いがあることが分かった。
シェア畑 横浜鶴見
調査は昨年7月、インターネットを通じて実施。シェア畑がある7都府県で、シェア畑利用者344人と非利用者で家庭菜園なども行っていない200人の男女を対象に行った。属性に差異が生じないよう居住地・年齢・性別は同一条件とした。
調査の結果、両者間に精神面の健康レベルで2.3倍の違いがあったほか、シェア畑の利用回数が多いほど健康数値も良好になることが判明した。
曽我准教授は、「土を耕したり苗を植える作業が、適度に体を動かすことにつながりストレス発散効果が期待できる。また、野菜や自然とふれ合うことによりリラックス効果も発現し、家族や利用者同士とコミュニケーションをとることにより、健康促進効果もあることが明らかになった」と分析している。
今回の調査は、健康に対する関心が世界的に高まり、国際連合が定めたSDGs(持続可能な開発目標)でも福祉と健康の目標が盛り込まれていることから、超高齢化社会を迎えた日本の大きなテーマである健康に焦点を当てたもの。市民農園と健康に関する本格的な調査は今回が初めて。
シェア畑は首都圏・関西を中心に2020年4月現在98か所あり、手ぶらで野菜作りができる小区画(3㎡以上)のサポート付き市民農園。常駐する菜園アドバイザーが基本事項から指導するなど、初心者でも気軽に来園できる点が特徴となっている。
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