牧草新品種「えさじまん」の種子販売を開始 農研機構、雪印種苗2021年4月23日
農研機構と雪印種苗(株)が共同で育成した中生新品種オーチャードグラス「えさじまん」の種子販売が4月から開始された。北海道と北東北での栽培に適しており、既存品種に比べて糖含量が高く、栄養収量が多いことから、酪農経営における自給粗飼料生産の高品質化と低コスト化が期待される。
オーチャードグラス「えさじまん」の草型(2013年6月12日撮影、農研機構北農研)
農研機構は、飼料品質のうち糖(WSC)に着目し、2000年度からオーチャードグラスの飼料品質の改良に着手。2008年度から雪印種苗と共同で候補系統の収量性と、飼料品質による選抜を実施。既存品種より糖含量が高く、越冬性や収量性が安定している中生品種「えさじまん」を育成した。
牧場新品種「えさじまん」と、北海道と東北で栽培実績がある、中生のオーチャードグラス「ハルジマン」を比較した特徴は次のとおり。
(1)糖(WSC)含量は、場所および年間を通して「ハルジマン」より約3ポイント高い
(2)推定TDN含量は約2ポイント高く、TDN収量「ハルジマン」比109%と多収。繊維成分(NDF)含量は「ハルジマン」より低い
(3)サイレージ発酵品質は、Vスコアが「ハルジマン」より高い
(4)「えさじまん」の1番草サイレージを主体とするTMRを搾乳牛に給与した場合、「ハルジマン」給与に比べ、産乳量が4%多い。
基幹牧草のオーチャードグラスは、特に北海道において、植生改善と気象リスク分散のため、さらに栽培面積の増加が予測される。このことから、販売後10年間で、北海道と東北を合わせた7500haの普及が見込まれている。
今後は早生から晩生、極晩生まで糖含量を高めた品種を育成し、各農家の作付体系に合わせた品種を選択できるようにする予定だという。
〈「さえじまん」種子入手先〉
雪印種苗
〒004-8531 北海道札幌市厚別区上野幌1条5丁目1番8号
TEL:011-891-5911(代表)
FAX:011-891-592
〈問い合わせ先〉
農研機構北海道農業研究センター 研究推進部 研究推進室 知的財産チーム
TEL:011-857-9417
FAX:011-859-2178
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(148)-改正食料・農業・農村基本法(34)-2025年6月28日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(65)【防除学習帖】第304回2025年6月28日
-
農薬の正しい使い方(38)【今さら聞けない営農情報】第304回2025年6月28日
-
【特殊報】ウメにクビアカツヤカミキリによる被害 県内で初めて確認 三重県2025年6月27日
-
【サステナ防除のすすめ2025】連作障害"待った" 野菜の土壌消毒編(1)2025年6月27日
-
【サステナ防除のすすめ2025】連作障害"待った" 野菜の土壌消毒編(2)2025年6月27日
-
大人の食育を推進 官民連携食育プラットフォームが設立総会 農水省2025年6月27日
-
全農 備蓄米 出荷済み20万t超える 進度率7割2025年6月27日
-
食品ロス 国民1人当たり37kg 3万1800円損失 2023年度2025年6月27日
-
5月の米の家庭内消費、前年同月比で減少幅拡大 米価高騰が消費冷ます 米穀機構2025年6月27日
-
(441)「とんかつ」はなぜ各国で愛されているのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月27日
-
【JA人事】JA松山市(愛媛県)阿部和孝組合長を再任(6月20日)2025年6月27日
-
【JA人事】JAめぐみの(岐阜県) 新組合長に渡邉健彦氏2025年6月27日
-
【JA人事】JA木曽(長野県)新組合長に亀子宗樹氏(5月29日)2025年6月27日
-
【JA人事】JAおちいまばり(愛媛県)渡部浩忠理事長を再任(6月25日)2025年6月27日
-
【JA人事】JA仙台(宮城県)藤澤和明組合長を再任2025年6月27日
-
果樹王国和歌山から旬を届ける「みのりみのるマルシェ」東京・大阪で開催 JA全農2025年6月27日
-
伊藤園と共同開発「ニッポンエール 栃木県産にっこり梨SODA」新発売 JA全農2025年6月27日
-
【役員人事】農協観光(7月1日付)2025年6月27日
-
【生乳需給で中酪要請】酪農9700戸割れ 家族経営支援に重点、離農高止まりに危機感2025年6月27日