有機質資材と被覆尿素肥料の窒素肥効を見える化 サイト公開 農研機構×国立環境研究所2021年5月17日
農研機構と国立環境研究所は、地温などの土壌条件に応じて、家畜ふん堆肥や植物油かすなどの有機質資材と被覆尿素肥料の窒素肥効を予測するアプリを開発。日本土壌インベントリーのウェブサイトに公開した。数分の簡単な入力作業により、作物に重要な窒素について、有機質資材施用による減肥可能量や被覆尿素肥料の溶出量を施肥前に予測し、適切な施肥設計に活用できる。
家畜ふん堆肥や植物油かすなどの有機質資材は、土づくりや農地の肥沃度改善にとって不可欠な資材。また、樹脂などで被覆された被覆尿素肥料は、肥料をゆっくり効かせ、追肥作業を省くのに有効だ。
これらの資材の肥料効果(肥効)は地温などの土壌条件の影響を受けて変動するため予測が難しく利用しにくいことから、作物にとって最も重要な肥料成分である窒素について、有機質資材や被覆尿素肥料の肥効を予測する計算モデルとアプリを開発した。
有機質資材の計算モデルは、資材の分解しやすさの特性値としてADSON(Acid-detergent soluble organic nitrogen; 酸性デタージェント可溶性有機態窒素含量)に着目。その値と地温や土壌水分の値を用いて、一定期間に資材から放出される無機態窒素量(窒素肥効)を予測する。
被覆尿素肥料の場合、狙った時期に窒素を溶出させる必要があるため、窒素の経時的な溶出量を予測。さらに、利用者がデジタル土壌図上の任意の地点を選び、有機質資材や被覆尿素肥料の種類、施用の時期、収穫の時期などを入力するだけで、計算モデルに基づき窒素肥効を見える化するアプリを開発し、日本土壌インベントリーのウェブサイトに公開した。
同アプリは、適切な施肥設計に活用でき、有機質資材の更なる活用や、化学肥料の使用低減につながると期待される。
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