過去10年で最高 オオタバコガ、ハスモンヨトウ、コナガ発生 福岡県2021年10月29日
福岡県病害虫防除所は、10月5半旬調査で、キャベツ、レタス、イチゴ、ナスでチョウ目害虫の寄生と食害、卵を確認。特に、キャベツのオオタバコガ、ハスモンヨトウ、コナガの寄生株率と発生ほ場率は、過去10年で最も高い。これを受け、10月26日に病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
キャベツを加害するオオタバコガの幼虫、ハスモンヨトウの卵塊と若齢幼虫(レタス)(写真提供:福岡県病害虫防除所)
キャベツの10月5半旬調査の結果では、オオタバコガの寄生株率は9.7%(平年1.7%)、発生ほ場率100%(平年37.8%)、ハスモンヨトウの寄生株率は2.0%(平年0.4%)、発生ほ場率57.1%(平年14.5%)、コナガの寄生株率6.0%(平年0.4%)、発生ほ場率71.4%(平年12.2%)で、いずれも寄生株率、発生ほ場率とも過去10年で最も高かった。
レタスの10月5半旬調査の結果では、オオタバコガの寄生株率は2.0%(平年0.8%)、発生ほ場率14.3%(平年21.8%)、ハスモンヨトウの寄生株率は0.6%(平年0.4%)、発生ほ場率14.3%(平年12.4%)で、いずれも寄生株率が平年より高かった。また、他作物の巡回調査でも、イチゴではハスモンヨトウ・オオタバコガ、ナスではハスモンヨトウの発生が認められた。
10月21日福岡管区気象台発表の1か月予報によると、降水量と日照時間はほぼ平年並、気温は平年並か高いと予想されており、今後も発生に好適な気象条件が続くと予想される、
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場をよく観察し、発生が認められた場合には直ちに防除を行う。
〇ハスモンヨトウの若齢幼虫は葉裏に群棲し、分散後に新芽に寄生することが多いので、見つけ次第、除去・処分する。
〇結球する野菜では、結球内部に食入し被害が大きくなるため、結球前の防除を徹底する。
〇中老齢幼虫になると薬剤の防除効果が低下するので、若齢幼虫のうちに防除を徹底する。
〇ほ場内や周辺の雑草は増殖の場となるので、除草を徹底する。
キャベツを加害するハスモンヨトウの老齢幼虫、コナガの蛹(キャベツ)(写真提供:福岡県病害虫防除所)
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