ウメ、モモにヨコバイ科「Singapora shinshana」県内で初発生 兵庫県2021年11月1日
兵庫県病害虫防除所は、ヨコバイ科の一種「Singapora shinshana (Matsumura)」の発生を県内全域で確認。これを受け、10月29日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
Singapora shinshana の成虫(左)、かすり状の被害葉(ウメ)(写真提供:兵庫県立農林水産技術総合センター)
9月に淡路地域で一般家庭のウメの葉が白化する症状の報告があり、被害葉にはヨコバイ類が多数、寄生していた。その後、同様の症例が神戸、東播磨、北播磨、西播磨、丹波地域の一般家庭のウメ、モモでみられ、10 月に北播磨地域のモモ栽培園にて同様の症例を認めた。
このうち、神戸地域のモモで発生していたヨコバイ類の個体群は、農林水産省神戸植物防疫所により兵庫県で未確認のヨコバイ科の一種「Singapora shinshana(Matsumura)」と同定。兵庫県病害虫防除所は、その他の地域で発生している個体群も、同種であることを確認した。
海外では中国、台湾、韓国及び北朝鮮での分布の報告がある。国内では沖縄県に分布することが知られていたが、2019年に和歌山県、2020年に徳島県、埼玉県、京都府、大阪府、岡山県、群馬県、滋賀県、香川県、2021年に栃木県、山口県、東京都から発生の報告がある。
成虫の体長は3.0~3.5ミリ、体色は黄緑色で複眼は黒い。頭頂部に黒点が1つあるのが特徴。国内での詳細な生態は明らかになっていないが、ウメ、モモ、スモモ、アンズ、オウトウ、ハナモモ、ハナウメおよびエドヒガンへの寄生が確認されている。海外では、この他にナシ、リンゴ等のバラ科果樹やポプラ等での被害が報告されている。
被害の特徴としては、成虫、幼虫とも葉を吸汁し、吸汁された葉の表側は白くカスリ状となる。被害が進行すると、葉表全体が白化し落葉する。被害葉の葉裏には脱皮殻が大量に付着していることがある。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇10月現在、本種に対する登録農薬はない。これまでに発生が認められた事例では、減農薬、無農薬での栽培形態が多いことから、通常の薬剤防除を行っていれば、大きな被害が発生する可能性は低いと考えられる。
〇これまでの他府県の発生報告では、8月以降に発生に気づく場合が多い。7月から密度が急増する可能性があるため、早期発見に努め、寄生葉は除去し、同種が外に出ないよう袋等に密封するなどして処分する。
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