トウガラシのベゴモウイルス抵抗性に関わる遺伝子領域を特定 農薬過剰投与の低減に期待 近畿大学2022年2月2日
近畿大学大学院農学研究科(奈良県奈良市)の博士前期課程2 年 森菜美子氏、准教授 小枝壮太らの研究グループは、トウガラシのベゴモウイルス抵抗性に関わる遺伝子領域を新たに2つ特定した。トウガラシを含む様々な農作物における抵抗性品種の品種改良に繋がる成果で、世界的に問題になっているウイルス病被害と過剰農薬投与の低減が期待される。
トウガラシに見られるベゴモウイルス抵抗性の違い。
(A)ベゴモウイルス感受性トウガラシHabaneroでは病気による症状がひどく、
(B)抵抗性トウガラシGR1では症状が軽い
ベゴモウイルスは、農業生産において世界中で甚大な経済的被害を引き起こしている。ウイルスの感染は、タバココナジラミとよばれる昆虫により媒介される。そのため、生産現場では殺虫剤の散布によって対策してきたが、過剰な農薬の使用により、現在では農薬が十分に効かないタバココナジラミが世界各地で発生。1990 年代には、トマトに黄化葉巻病を引き起こすベゴモウイルスが、イスラエルから日本、欧州、北米へ同時多発的に侵入し、生産農家を苦しめてきた。
現在、ベゴモウイルスには445の種類があり、トウガラシ、トマト、キュウリ、メロン、カボチャ、ズッキーニ、オクラ、マメ類など多くの農産物が、このウイルスに感染すると果実をほとんど収穫できなくなるなど、農業生産において世界的な脅威となっている。同研究チームは、2021年にトウガラシにおいて世界で初めてベゴモウイルス抵抗性遺伝子を特定。今回の研究ではそれとは異なる2つの新たな抵抗性に関わる遺伝子領域を発見した。
同研究成果をもとに、今後の品種改良により、トウガラシ生産におけるウイルス病の被害が軽減でき、農薬の過剰投与も抑制できると期待される。同研究に関する論文は2月1日、植物育種学分野の国際学術誌『Euphytica』にオンライン掲載された。
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