【特殊報】マンゴーにリュウガンズキンヨコバイ 農作物で初めて発生を確認 沖縄県2025年2月6日
沖縄県病害虫防除技術センターは、マンゴーにリュウガンズキンヨコバイの発生を農作物で初めて確認。これを受けて、2月3日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第3号を発表した。
沖縄県病害虫防除技術センターによると、沖縄県南風原町のマンゴー施設ですす病が発生し、2023年7月にほ場を確認した。施設内でヨコバイの発生が見られたが成虫密度はかなり低下しており、すす病との関連性は不明だった。11月に横浜植物防疫所へ同定を依頼した結果、リュウガンズキンヨコバイ(Idioscopusclypealis)であることが確認された。
2024年に改めて発生状況を調査したところ、9月に豊見城市のマンゴー施設で同種およびすす病の発生が確認された。

図1:マンゴーに寄生するリュウガンズキンヨコバイと
図2:排泄物により発生したすす病(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
リュウガンズキンヨコバイはマンゴーやリュウガンに寄生することが知られている(図1)。成虫は花序に産卵し、個体数は開花期に増加。幼虫および成虫は花や葉を吸汁し、花が加害されると果実の着果に影響を及ぼす。また、排泄物によってすす病が誘発され(図2)、光合成阻害や果実品質の低下を招く。
同種は南アジア~東アジアの熱帯、亜熱帯に広く分布し、日本では石垣島からの報告がある。
体長は雄3.5~4.2mm、雌3.6~4.2mm。頭部、前胸背、小楯板は黄褐色で、小楯板の前角に1対の黒斑がある(図3、4)。雌は頭頂の前縁に2個の黒斑を持つ。

図3:リュウガンズキンヨコバイ雄成虫と
図4:リュウガンズキンヨコバイ雌成虫※↓は頭頂前縁の黒斑を示す(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
日本昆虫目録第3巻にズキンヨコバイ亜科は8属17種が掲載されているが、この中でマンゴーに寄生することが確認されているのは同種のみ。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇側面、天窓、出入口に防虫ネットを設置し、出入口は二重カーテンにする。また、被覆ビニールおよびネット等の破損部分は直ちに補修する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(166)食料・農業・農村基本計画(8)農業の技術進歩が鈍化2025年11月1日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(83)テトラゾリルオキシム【防除学習帖】第322回2025年11月1日 -
農薬の正しい使い方(56)細菌病の防除タイミング【今さら聞けない営農情報】第322回2025年11月1日 -
酪農危機の打破に挑む 酪農家存続なくして酪農協なし 【広島県酪農協レポート・1】2025年10月31日 -
国産飼料でコスト削減 TMRと耕畜連携で 【広島県酪農協レポート・2】2025年10月31日 -
【北海道酪肉近大詰め】440万トンも基盤維持に課題、道東で相次ぐ工場増設2025年10月31日 -
米の1等比率は77.0% 9月30日現在2025年10月31日 -
2025肥料年度春肥 高度化成は4.3%値上げ2025年10月31日 -
クマ対策で機動隊派遣 自治体への財政支援など政府に申し入れ 自民PT2025年10月31日 -
(459)断食:修行から管理とビジネスへ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月31日 -
石川佳純が国産食材使用の手作り弁当を披露 ランチ会で全農職員と交流2025年10月31日 -
秋の果実王 旬の柿を堪能 福岡県産「太秋・富有柿フェア」開催 JA全農2025年10月31日 -
「和歌山県産みかんフェア」全農直営飲食店舗で開催 JA全農2025年10月31日 -
カゴメ、旭化成とコラボ「秋はスープで野菜をとろう!Xキャンペーン」実施 JA全農2025年10月31日 -
食べて知って東北応援「東北六県絆米セット」プレゼント JAタウン2025年10月31日 -
11月28、29日に農機フェアを開催 実演・特価品販売コーナーを新設 JAグループ岡山2025年10月31日 -
組合員・利用者に安心と満足の提供を 共済事務インストラクター全国交流集会を開催 JA共済連2025年10月31日 -
JA全農と共同開発 オリジナル製菓・製パン用米粉「笑みたわわ」新発売 富澤商店2025年10月31日 -
【スマート農業の風】(20)GAP管理や農家の出荷管理も絡めて活用2025年10月31日 -
農業経営効率化へ 青果市況情報アプリ「YAOYASAN」に分析機能追加 住友化学2025年10月31日


































