【注意報】野菜類、花き類、豆類にシロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月22日
兵庫県病害虫防除所は、野菜類、花き類、豆類にシロイチモジヨトウが県内全域で多発のおそれがあるとして、9月19日に令和7年度病害虫発生予察注意報第5号を発表した。
兵庫県病害虫防除所は、県内に設置しているシロイチモジヨトウ用のフェロモントラップで、6月以降平年を上回る誘殺が認められ、病害虫発生予察注意報第3号(8月7日発表)により注意喚起した。
その後も誘殺数は依然として多く推移し、8月~9月上旬の合計誘殺数は、加西市で平年の3.6倍、朝来市で同24.4倍、南あわじ市で同2.3倍と、過去の調査と比較して1~2番目に多くなっている(図)。
9月中旬に淡路地域で実施したねぎ圃場における調査では、本種の発生圃場率は100%(10圃場/10圃場)と高かった。また、幼虫の寄生株率が50%を超える甚発生圃場も認めている。
県内各地で、ねぎ、ピーマン、カーネーション、大豆栽培圃場で既にシロイチモジヨトウによる被害が認められている。また、たまねぎやレタスの育苗床における被害も認められている。
気象庁が8月19日に発表した近畿地方の3か月予報によると、9~10月の気温は平年より高く推移。同種の活動に好適な条件が続き、幼虫による被害が発生する恐れがある。また、近年、秋期にも気温が高く推移する傾向にあり、昨年のように10月以降も同種の発生が収まらず(図)、被害の発生が長期化することが懸念される。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(提供:兵庫県病害虫防除所)
(1)シロイチモジヨトウは広食性で、加害作物は、ねぎ、たまねぎ、はくさい、ピーマン等の野菜類から、カーネーション、きく、トルコギキョウ等の花き類、大豆、あずき等の豆類と広範囲におよぶ(写真1)
(提供:兵庫県病害虫防除所)
(2)卵は鱗毛で覆われた卵塊で産み付けられ(写真2)、孵化直後の若齢幼虫は集団で加害する(写真3)。卵塊や分散前の若齢幼虫の早期発見に努め、速やかに捕殺する。
(3)成虫の産卵防止対策には防虫ネット(目合4mm以下)、黄色防蛾灯、性フェロモン剤(交信かく乱剤)の利用が有効。
(4)近年、秋冬野菜の育苗期や定植直後の被害が増加傾向にある。育苗期には粒剤や水和剤の潅注処理による予防的な防除を心がける。本圃への定植後も被害の発生に注意して観察し、幼虫の発生が認められたら速やかに薬剤散布を行う。
(5)中・老齢幼虫(写真4)には殺虫剤の効果が低くなるので、薬剤防除は若齢幼虫期に行う。同種は全国的に薬剤抵抗性の発達事例が多く報告されており、兵庫県でも一部の薬剤で殺虫効果が低い事例を認めているため、薬剤散布後も防除効果の確認に努める。
(6)薬剤散布を行う場合は、産地や地域における薬剤の使用実態を考慮しながら、農作物病害虫・雑草防除指導指針等を参考に薬剤を選定し、農薬使用基準を守る。
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