信州・安曇野生まれ夏秋いちご新品種の名称「あまあづみ」に決定 長野県安曇野市2024年7月12日
安曇野市農業再生協議会(事務局:長野県安曇野市農政課)は、市内の生産農家が育成した新品種の夏秋いちごの名称について、1255件の応募の中から選考し、「あまあづみ」に決定。夏秋いちご産地として新たなブランドを発信する。

安曇野産いちごの新品種「あまあづみ」
雄大な北アルプスのふもとに広がる田園風景が魅力の安曇野。豊富な湧水を利用し、米やわさびだけに加え、夏場の冷涼な気候を生かし、20年ほど前から「夏秋いちご」の生産が始まった。当初は、3戸・35aの作付けからスタートしたが、現在は若い新規就農者を中心に47戸・6.4haの作付けにまで成長。全国有数の夏秋いちごの産地となっている。
いちごは、多くの新品種が開発されているが、冬から春に栽培される品種が多く、夏から秋に栽培される四季成りの「夏秋いちご」の品種の研究例は少ない。そこで、大学時代に、育種の技術を学んでいた市内の夏秋いちご農家・堀井勇司さん(43)が、10年の歳月をかけ、香り高く、甘みも強い新品種(農林水産省出願名称:ASK1-1)をつくり、2022年6月に農林水産省に品種登録を届け出て、同9月に受理された。
ASK1-1は、長野県が開発した夏秋いちごの品種「サマープリンセス」を片親にもち、最大の魅力は、さわやかな甘みと香りの高さ。ぷっくりとした円錐形で明るい赤色も特徴で、安曇野の地で誕生していることから、安曇野が適地で安定した収量が確保できることもメリットの一つとなっている。
これまで、安曇野の夏秋いちごは、市場での評価は高いが、消費者の手に渡るころには、「長野県産」となってしまい、「安曇野=夏秋いちごの産地」というイメージの定着には至っていない。そこで、「安曇野生まれの新品種」誕生をきっかけに、「夏秋いちご=安曇野」を市の新たなブランドとしてPRするため、名称募集を実施。全国各地から1200件以上の名称案の応募があり、選考委員による選考の結果、市内の小学校に通う原優真さん(10)が考案した「あまあづみ」に決まった。
「あまあづみ」の選考理由は、名称に「あづみ」が入っていることから、安曇野を連想しやすく、親しみやすいひらがなであること。また、新品種の特徴である「あまみ」をPRできることから採用された。
今後は、安曇野生まれの新品種「あまあづみ」のデビューを記念し、地域の人々に広く「あまあづみ」の魅力を知ってもらうため、市内の飲食店等で提供を始める。

7月11日に開かれた「名称お披露目会」で。名付け親の原優真さん(前列右から2番目)のクラスメイトと堀井勇司さん(前列右)
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