農村の底力を見せつけよう2014年1月6日
明けまして、おめでとうございます。
新年になると、毎年思い出すことがある。
数十年前のことだが、ある新年会で、川野重任先生が「農業のない国はどこにもない」と言った。新年になると、なぜか、これを思い出す。
なるほど、国連のデータをみると、どんな工業国にも農業はある。シンガポールのような都市国家でさえも農業がある。
当時、日本は無農国になることを危惧していた。だが先生は、そんなことはない、と楽観していた。そうして、私たちを力づけていた。
今年は日本農業の存続を脅かすほどの事態が待っている。市場原理主義の嵐が真正面から吹いてくるだろう。
国内問題では、減反廃止へ向けた動きがあり、強権的な大規模化がある。また、国際問題では、TPP問題がある。
だが、日本が農業のない国になることはないだろう。
◇
昨年の暮れに、憲法学者の奥平康弘教授の論説が朝日新聞に載った。
その中で次にように言っている。1952年に成立した破壊活動防止法は、その後、オウム真理教にさえも適用されなかったが、その理由は、当時、労働組合などが力強く反対して、骨抜きにしたからだ。
この論旨でいけば、たとい農政問題で市場原理主義農政の嵐が吹き荒れても、農村に底力があれば、この嵐を吹き飛ばすことができる。
筆者もその通りだと思う。
◇
農政の歴史的大転換というが、いまや、農村の底力に反して農政は動かせない。農村は、それだけの力を蓄えている。その中心に農協がある。
一時的には、不利な状況に陥るかもしれない。しかし、万一そうなっても、それは農業の悠久の歴史からみれば、一瞬の出来事にすぎない。
今年こそ、農村の底力を見せつけよう。そうして、国の基を築く農業を、後世に引き継がねばならない。
(前回 食糧安保軽視、現場無視の来年度予算)
(前々回 飼料米増産の本気度)
(「正義派の農政論」に対するご意見・ご感想をお寄せください。コチラのお問い合わせフォームより、お願いいたします。)
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(2)病理検査で家畜を守る 研究開発室 中村素直さん2025年9月17日
-
9月最需要期の生乳需給 北海道増産で混乱回避2025年9月17日
-
営農指導員 経営分析でスキルアップ JA上伊那【JA営農・経済フォーラム】(2)2025年9月17日
-
能登に一度は行きまっし 【小松泰信・地方の眼力】2025年9月17日
-
【石破首相退陣に思う】しがらみ断ち切るには野党と協力を 日本維新の会 池畑浩太朗衆議院議員2025年9月17日
-
米価 5kg4000円台に 13週ぶり2025年9月17日
-
飼料用米、WCS用稲、飼料作物の生産・利用に関するアンケート実施 農水省2025年9月17日
-
「第11回全国小学生一輪車大会」に協賛「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年9月17日
-
みやぎの新米販売開始セレモニー プレゼントキャンペーンも実施 JA全農みやぎ2025年9月17日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」ダイニング札幌ステラプレイスで北海道産食材の料理を堪能 JAタウン2025年9月17日
-
JAグループ「実りの秋!国消国産 JA直売所キャンペーン2025」10月スタート2025年9月17日
-
【消費者の目・花ちゃん】スマホ置く余裕を2025年9月17日
-
日越農業協力対話官民フォーラムに参加 農業環境研究所と覚書を締結 Green Carbon2025年9月17日
-
安全性検査クリアの農業機械 1機種8型式を公表 農研機構2025年9月17日
-
生乳によるまろやかな味わい「農協 生乳たっぷり」コーヒーミルクといちごミルク新発売 協同乳業2025年9月17日
-
【役員人事】マルトモ(10月1日付)2025年9月17日
-
無人自動運転コンバイン、農業食料工学会「開発特別賞」を受賞 クボタ2025年9月17日
-
厄介な雑草に対処 栽培アシストAIに「雑草画像診断」追加 AgriweB2025年9月17日
-
「果房 メロンとロマン」秋の新作パフェ&デリパフェが登場 青森県つがる市2025年9月17日
-
木南晴夏セレクト冷凍パンも販売「パンフェス in ららぽーと横浜2025」に初出店 パンフォーユー2025年9月17日