農協の存在感を高める ――思考停止に陥ることなく――2016年10月11日
農業は損得産業ではなく生命産業だと常々語っている。そして協同の力や絆があってこそコミュニティーや地域社会があると思っている。今の政治はリスクだけを生産者に押し付けようとしてはいないだろうか。生命産業が消滅したらおしまい。リスクはこの国に暮らす人々みんなが共有すべき課題ではなかろうか。
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最近、「農協改革」を皮相的にしかとらえていない人が政策を動かすことに危機感を覚えるが、この機会をJAが一皮むけ、飛躍的な成長をするために何をなすべきか考える機会にしたいものである。考えたことは実践し発信する。ビジョン・戦略を絵に描いた餅にしてはならない。これまで理念ばかりが先行し実践が伴わない...こんな経験ばかり。
それは、戦略が間違っていたのではなく、きちんと実行されてこなかったからだ。
実行管理こそ、トップマネジメントの重要な事項と心に留めたい。
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組合員の存在こそがJAの存在理由であるということであるのは当たり前のことではあるが、この認識が薄れていたところを突かれたのかなとも思う。
大切なことは、あるべき姿を語ることではなく、あるべき姿を実現することであることは言うまでもない。組合員との関係も今のところつながっているから一気に悪くはならないだろうが、その分一気によくもならない。組合員が静かに去っていることに気づかない振りをしていたのかもしれない。
では、どうしたら強い組織になるのだろうか。
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先ず、大切なことは組合員の役割、役員の役割、職員の役割が明確になっているかどうかだ。お客に役割はないはずである。組合員がお客になったら組織は終わり。組合員が役割を分担して「お互い様」で運営していくことが大切だと思う。そのためには何よりも世話役やリーダーが必要である。
当組合が長い間愚直に問い続けていることは、主役は組合員、職員はわき役として常に組合員がリーダーシップをとる協同活動を進めていくことである。事業活動のすべてに主役として位置付け組織活動の先頭に立てることこそ忘れてはならない大原則であろう。
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その上で、私は「考える」ことができる組織にならねばならないと思う。自らの頭で考え問題の発見と解決ができる様々な人が強みを生かし、プラスのシナジーを生み出すような思いが必要だ。自律的で競争力に溢れている健康的な組織でいたいもの。
もともとJAにあって当たり前だった「One to oneマーケティング」こそ取り戻さなければいけないことではなかろうか。これは、「組合員が」主体性をもって動くようにすることでしか実現しない。その前提として、組合員や地域の皆さんの一番してほしいことを全面的に個別対応することが今一番求められているのではなかろうか。
さらに、組合員の期待を超える仕事をしているのか自己点検も必要。組合員のつぶやきを提言に活かそうとしているだろうか、人が動く仕組みになっているのかを曖昧にしたままでは未来はない。
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私たちは、組合員がよりよく生きるために生涯のパートナーとしての高い価値を提供したい。あるべき姿と現実のギャップがあることをきちっと受け止めたうえで、明日は、過去の延長線上にはないと覚悟した取り組みが必要だろう。
目標があれば夢を行動に移すことができるのではないか。どこへ行くのかわからなければどの道を進んでも辿りつけないはず。競争優位の社会の中で農協の存在感を高めていくことが何よりも大切ではなかろうか。
目標を立ててもうまくいかないのは思い入れがないからであり、みんなの努力がなければ成し遂げることはできない。思い入れと共感こそこれからのキーワードと信じている。
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本物であることを主張して違和感の無いのは農協だけ。いわれなき批判に農協陣営としてもっときちっと反論してほしいと思っているのは私だけではないはず。思考停止に陥ることだけは無きよう祈りたいもの。
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